【体験談】自分が「何をしたいのかわからない」人の根本原因って?

近年「何がしたいか分からない」「選択ができない」「好きなものが分からない」という人が増えています。

昔と比べて選択の「自由度」が増す一方で、様々な理由から「自分が何を選べばいいか」分からなくなってしまい、選択することへのストレスを感じてしまったり、選択できない自分を責めてしまうという人も多いようです。

そういった方々は、過去の経験が大きく影響している場合が非常に多いんです。

そう話すのは、神戸で「コネクトロン/マチカド保健室」を営む今庄さん。これまでに、5000人以上の相談を受けてきたそうですが、中でもこのお悩みは非常に多いんだそうです。

今回は、ある相談者の実例をもとに、解決までの道のりを伺っていきます。

相談者Aが初めて今庄さんのもとを訪れたのは、10年以上前のことです。彼女は、自分が何がしたいのか分からず、そんな自分へ大きな劣等感を感じていました。

進学・就職活動・恋愛や結婚…。人生では、日々たくさんの選択が求められます。そのたびに、自分がどんな選択をしたいのか、自分の心がどこに向いているのか分からないというお悩みでした。

また、周りはいろんなことに挑戦しているのに、自分には趣味のようなものも見つけられないと彼女は深刻に悩み、自信を喪失。選択することに恐怖心さえ感じていました。

そこで約3時間もの時間をかけて、彼女とじっくり話をしてみたんだそう。

彼女自身の生まれ持った素質を知るために四柱推命を取り入れたり、NLP(神経言語プログラミング)と呼ばれる心理学を用いて、自身がなぜ「やりたいことがわからないのか」を紐解いていきます。

まず、なぜ「やりたいこと」を見つけたいのですか?

そう聞くと彼女は「自分に自信が持てないからだ」そう話します。周りは、自分の好きなことがあって、そこに邁進していてキラキラして見えるとの話でした。

そこから「好きなことがあるとなぜ輝いて見えるんですか?」「どんな風になれば自信が持てますか?」などと似た質問を繰り返していきます。

気持ちの根源をたどるための作業、これがNLPです。

自分の中では、一貫した想いがあるつもりでも、客観的に回答を聞いていると、多くの矛盾が生まれます。

彼女の場合、  バレエという「好きなもの」がある にも関わらず、それを  取り組んでいない  という矛盾がありました。

好きなことがあって、趣味に邁進している人にあこがれを持っているのに、なぜ彼女はバレエを始めないのでしょうか。

ここからさらにNLPを通して、心の深堀りを進めていきます。

質問を繰り返していくと、彼女は幼少期にやりたかったバレエをさせてもらえなかった過去を思い出します。

子どもの頃にやりたかったことができなかったことで、自分の「好き」にフタをする癖をつけてしまっていることってよくあるみたい。

成人になった今は、時間もお金も自分のもの。一歩踏み出せなかった原因が「自分自身の性格」にあるのではなく、過去の経験による「クセ」のようなものだと腹落ちできると、結構人はあっさりと一歩を踏み出せるものなんだとか。

その後、約10年にわたって彼女は趣味としてバレエを続けます。たまに別のお悩み相談に足を運ぶことはありましたが、「やりたいことが見つからない」「選択ができない」というお悩みは克服したかのように見えました。

ですがこの方のお悩み相談には続きがあります。

ある日突然彼女がまた10年前と同じような顔をして「コネクトロン/マチカド保健室」に来たそうなんです。

せっかく好きなバレエを始めたはずなのに、うまく踊れない自分が許せないというんです。

改めて、セッションを行って分かったのは、父親から虐待を受けていたという幼少期の記憶でした。

実は彼女自身、そのことを忘れてしまっていたんです。

自宅でバレエの練習をする際、うまく踊れないことで罵声を浴びせられる等の日々が続き、発表会でも父親が見ている日は緊張でうまく踊ることができなくなっていたと言います。

人は、あまりに傷ついたり・辛いと感じた経験に、フタをしてなかったことにするということはよくあることなんだそう。

彼女は、本当の意味でバレエを始められなかった理由に10年かけてようやくたどり着くことができ、今では心からバレエを楽しめています。

「人間は忘れるようにできている」なんて言葉をよく聞きますが、彼女の様に無理にフタをしてしまった傷が原因で、生きづらさを感じているという人って、結構いるみたいです。

「やりたいことが見つからないのは、私に行動力がないから」「バレエを始められないのは、自分に自信が持てないこの性格のせいだ」

原因が分からないうちは自分を責めてしまうケースが非常に多いようですが、そこからさらに深堀りしてみることで、奥底に沈めてしまった原因が見つかるかもしれません。

それぞれが抱えている「傷」は、深ければ深いほど「特効薬」のようなものはないと話す今庄さん。見えたはずの道が見えなくなったり、自分でも気づかない傷が潜んでいることだってあります。

だからこそ、一人で抱え込まずにいつでも立ち寄れる場所でありたい。開業当初の「コネクトロン」という名称から「コネクトロン/マチカド保健室」に変更したのはそういった思いがあるからなんだそう。

これからも人生は選択の連続。悩んだらあそこに行けばいい!そんな風に「心のお守り」として、持っておくだけで少し気持ちが楽になれるかもしれません。


神戸市中央区中山手通3-2-2トア山手プラザウイング棟117

ちなみに「コネクトロン/マチカド保健室」が少しだけお引越ししたみたいです。「神戸トアロード ホテル山楽」の近く。

以前は3階でしたが、新しい場所は1階になったようなので、より足を運びやすそうです。

◆関連リンク
神戸元町コネクトロン – 公式サイト

 

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