10月は新米が収穫され、酒蔵が酒づくりを始める季節ということなどから、10月1日は『日本酒の日』と定められてます。この日を中心に、全国各地で日本酒をさまざまな形で楽しめるイベントが開催されてます。
兵庫県は清酒生産量が全国1位で、なかでも神戸市灘区・東灘区・西宮市沿岸部の「灘五郷」は日本一の酒どころとも呼ばれています。
そこで今回は、日本酒好きから日本酒初心者まで楽しめる、灘五郷の酒蔵めぐりにおすすめのスポットをご紹介します。
搾りたての生原酒や、その場所ならではの限定酒などが楽しめるスポットも多いですよ。
Index
▶灘五郷とは?
▶酒蔵8選
灘五郷とは?
画像:灘五郷酒造組合公式サイトより
『灘五郷(なだごごう)』は、西郷(にしごう)、御影郷(みかげごう)、魚崎郷(うおざきごう)、西宮郷(にしのみやごう)、今津郷(いまづごう)の5つのエリアの総称です。
日本酒に詳しくなくても一度は聞いたことがあるような酒蔵が各エリアに点在していて、酒蔵によっては見学施設を設けていたり、酒蔵を開放したりと、さまざまなイベントが開催されています。
エリア | 酒蔵(企業名) |
---|---|
西郷 | 沢の鶴(沢の鶴) |
御影郷 | 白鶴(白鶴酒造)/菊正宗(菊正宗酒造)/剣菱(剣菱酒造)/戎面(坊垣醸造)/福寿(神戸酒心館)/仙介・琥泉(泉酒造)/大黒正宗(安福又四郎商店)/甲南漬(髙嶋酒類食品) |
魚崎郷 | 千代田蔵(太田酒蔵)/松竹梅(宝酒造)/浜福鶴(浜福鶴銘醸)/櫻正宗(櫻正宗) |
西宮郷 | 日本盛(日本盛)/灘自慢(國産酒造)/喜一(木谷酒造)/金鷹(本野田酒造)/白鷹(白鷹)/白鹿(辰馬本家酒造)/灘一(松竹梅酒造)/寳娘(大澤本家酒造)/島美人(北山酒造)/德若(万代大澤醸造) |
今津郷 | 大関(大関)/扇正宗(今津酒造) |
画像:御酒印帳公式サイトより
全国各地の参加酒蔵を巡り、御朱印ならぬ「御酒印」を集めることができる「御酒印帳」というのもあります。
左ページは登録銘柄ラベルの御酒印を貼ることができ、右ページには酒蔵を訪れた際の感想やお酒の特徴などを書けるスペースも。酒蔵巡りのお供にぴったりです。
御酒印帳はオンラインショップのほか、参加酒蔵で購入できます。灘五郷の酒蔵でも集めることができますよ。
酒蔵8選
【西郷】沢の鶴
画像:神戸市公式観光サイトより
灘区にある「沢の鶴資料館」は、三宮や新神戸駅から最も近い日本酒メーカーの資料館で、灘五郷の酒蔵・酒造会社巡りでは定番スポットのひとつです。
昔の酒蔵をそのまま資料館にした建物と酒造りの道具類は、兵庫県の重要有形民俗文化財にも指定されているんだとか。
画像:神戸市公式観光サイトより
昔ながらの酒造りを工程にそって追体験できるのが特徴で、歴史ある酒造りを肌で体感できます。
隣接するミュージアムショップでは、手に入りにくい沢の鶴の商品を販売するほか、酒蔵でしか飲めない”生原酒”の無料試飲もあるそうですよ。
注目のおすすめポイント
住所
神戸市灘区大石南町1-29-1 MAP
営業時間
10:00~16:00
定休日
毎週水曜日/盆休み/年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・沢の鶴資料館 – 公式サイト
【御影郷】白鶴
画像:白鶴公式サイトより
東灘区にある「白鶴酒造資料館」は、昭和40年(1965年)代の中頃まで実際に清酒醸造に使われていた「本店壱号蔵」を改造して開設された資料館です。
内部は昔ながらの酒造工程をそのまま保存していて、等身大の人形が配置されているので、再現された各工程の作業がイメージしやすいのが特徴。
画像:白鶴公式サイトより
2階が展示エリアで、1階には映写ホールや多目的ホール、酒造道具などの展示のほか、売店や「利き酒コーナー」も。
利き酒コーナーでは直営店限定のお酒などが無料で試飲できるほか、限定酒や高級酒の利き酒が楽しめる有料の「自動販売機」もあります。
最大6種類のお酒を気軽に楽しむことができ、気に入ったお酒は売店で購入できるそうですよ。
注目のおすすめポイント
住所
神戸市東灘区住吉南町4-5-5 MAP
営業時間
9:30~16:30(最終入館16:00)
定休日
盆休み/年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・白鶴酒造資料館 – 公式サイト
【御影郷】菊正宗
画像:菊正宗公式サイトより
東灘区にある「菊正宗酒造記念館」は、国指定の重要有形民俗文化財「灘の酒造り用具」を展示・解説する唯一の施設で、丹波杜氏秘伝の「生酛(きもと)造り」について学べるお酒の博物館です。
館のテーマは「酒造りの原点を知ること」。酒造りの工程から用具類にいたるまで、知識や現物に触れることで、灘の日本酒がつくられる技術や水・お米・風土、酒造りの伝統、日本酒をめぐる新しい楽しみ方などを深く知ることができます。
酒まんじゅう/酒蔵ソフトクリーム
画像:菊正宗公式サイトより
搾りたての原酒をはじめ、いろいろなお酒の試飲もできます。加熱処理を行っていない「生原酒」はもちろん、その季節のお酒などもあるみたい。
酒蔵記念館限定品も多く、純米吟醸酒を使った「酒まんじゅう」や、オリジナルスイーツの「酒蔵ソフトクリーム」などが人気だそうですよ。
注目のおすすめポイント
住所
神戸市東灘区魚崎西町1-9-1 MAP
営業時間
9:30~16:30
定休日
年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・菊正宗酒造記念館 – 公式サイト
【御影郷】福寿
画像:神戸酒心館公式サイトより
東灘区にある「神戸酒心館」は、福寿の醸造元で、醸造蔵を含む4つの「蔵」からなる複合施設です。
敷地内には、お酒を造る「福寿蔵」、醸したお酒を提供する蔵元ショップ「東明蔵」、地元の旬の野菜や自家製豆腐・蕎麦などが楽しめる「蔵の料亭 さかばやし(水明蔵)」、お酒とともに落語や音楽コンサートが楽しめる多目的ホール「酒心館ホール(豊明蔵)」があります。
画像:神戸酒心館公式サイトより
酒蔵見学は要予約で、酒造りの工程を動画で学んだあと、実際にお酒が造られているエリアを見学できます。
併設ショップでは、ここでしか味わえない「蔵元限定の日本酒」やオリジナル商品などを販売。無料の利き酒のほか、「蔵直採り生酒」などの量り売りも実施しているそうです。
蔵元特製のソフトクリームやスイーツ各種もあるので、お酒が苦手な方でも楽しめますよ。
注目のおすすめポイント
住所
神戸市東灘区御影塚町1-8-17 MAP
営業時間
11:00~16:30
定休日
年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・福寿の蔵元|神戸酒心館 – 公式サイト
【魚崎郷】浜福鶴
画像:浜福鶴吟醸工房公式サイトより
東灘区の魚崎郷にある「浜福鶴 吟醸工房」は、小山本家酒造の灘浜福鶴蔵で、日本酒造りの全工程をガラス張りで見学できる施設です。四季を通じて、リアルタイムでの酒造りを見られるのが特徴なんだとか。
2階が酒蔵併設の見学コースで、発酵・圧搾・吟醸・酒母・蒸米など、各工程を間近にみることができます。
途中には「醪(もろみ)づくり体感コーナー」もあって、香りで体感できるような仕掛けもあるみたい。
画像:浜福鶴吟醸工房公式サイトより
1階にある直売所では、各種限定酒をはじめ、酒器などのオリジナル商品、「大吟醸ソフトクリーム」といったオリジナルスイーツ、地元を中心とした特産品など幅広く取り揃えています。
正門横には人気の記念撮影スポットもあるので、訪れた際はぜひ撮影してみてくださいね。
注目のおすすめポイント
住所
神戸市東灘区魚崎南町4-4-6 MAP
営業時間
10:00~16:30
定休日
毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)/盆休み/年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・浜福鶴 吟醸工房 – 公式サイト
【西宮郷】白鷹
画像:白鷹禄水苑公式サイトより
西宮市鞍掛町にある「白鷹禄水苑」は、灘酒文化を発信する文化施設です。かつての造り酒屋の伝統的商家建築を、もともとこの地にあった白鷹蔵元・北辰馬家の旧宅の資料をもとに再現しているのだとか。
江戸末期~昭和初期にいたるまでの蔵元の生活道具などを展示していて、四季折々の行事や設えといった、当時の造り酒屋の暮らしぶりを知ることができるんだそう。
蔵BAR 画像:白鷹禄水苑公式サイトより
建物にはほかにもショップや日本酒バー、多目的ホールがあり、ショップは「日本酒の新しい楽しみ方」をテーマにした品揃えで、四季折々の旬の美酒をコンセプトに、ここでしか買えない季節限定酒を中心に販売。
蔵元直営のバー「蔵BAR」は、禄水苑限定酒や白鷹の代表的な日本酒などを気軽に楽しめる、土日祝限定の有料試飲コーナーです。
落ち着いた和の雰囲気の店内で、ゆったりとくつろぎながら日本酒を堪能できますよ。
注目のおすすめポイント
住所
西宮市鞍掛町5-1 MAP
営業時間
11:00~18:30
定休日
第1・3水曜日
入場料
無料
◆関連リンク
・白鷹禄水苑 – 公式サイト
【西宮郷】日本盛
画像:日本盛公式サイトより
西宮市用海町の日本盛 本社横にある「酒蔵通り煉瓦館」は、日本盛が手がける施設です。
レンガ造りのモダンな建物のなかには、搾りたて生原酒の利き酒など日本酒の試飲・販売コーナーのほか、季節の本格的な日本料理が楽しめるレストラン、ガラス工房もあるんだそう。
画像:日本盛公式サイトより
直売所では、ここでしか手には入らないお酒や、選りすぐりの食品や酒器などを販売。
市場出荷前の最終調整を行う前の「本蔵直送原酒」も購入できるそうで、4種類をサーバーで提供しています。
本蔵直送原酒はアルコール度数も20%前後と高く、熱処理していないので冷蔵保存をしなければいけないそうで、この場所ならではのお酒なんだとか。
なお、一般の人向けの酒蔵見学は実施されていないのですが、2月ごろと10月ごろに行われる「蔵開き」イベントでは、抽選での「酒蔵見学」などのイベントが行われてます。酒蔵を見学してみたい人は、イベント案内をぜひチェックしてみてくださいね。
注目のおすすめポイント
住所
西宮市用海町4-28 MAP
営業時間
10:00~21:30
※4~9月は11:00~。売店は19:00まで、最終入館20:00
定休日
毎週火・水曜日/年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・酒蔵通り煉瓦館 – 公式サイト
【今津郷】大関
画像:大関公式サイトより
西宮市今津出在家町の酒蔵通りにある「甘辛の関寿庵」は、「ワンカップ大関」などで知られる酒蔵「大関」のアンテナショップです。
店内には、大関の銘酒や搾りたて生原酒の「有料試飲コーナー」のほか、大関の日本酒を使った「お菓子」、発酵技術を活かした「化粧品」、できたてのお酒スイーツが楽しめる「喫茶コーナー」があります。
画像:大関公式サイトより
「ワンコイン試飲機」が人気で、関寿庵の店舗・オンラインショップ限定で販売している「関寿庵秘蔵酒大吟醸20年古酒」をはじめ、最大で6種類のお酒がワンコインで買えるんだとか。
大関の大吟醸酒を使ったお菓子も人気で、手焼きで焼き上げたカステラに手作業で何度もしみ込ませることで、しっとりした食感に仕上げた「酒カステラ」や、口に含んだ瞬間にほのかにお酒の香りが漂う「酒饅頭」などがラインアップ。
ちなみに大関のお酒は、西宮本社にある「寿蔵」「恒和蔵」の2つの蔵で造られています。
一般公開はされていませんが、「蔵開き」などのイベント時に蔵見学を実施したこともあるそうですよ。
注目のおすすめポイント
住所
西宮市今津出在家町3-3 MAP
営業時間
10:00~18:00
※喫茶は17:50まで。L.O 17:30
定休日
毎週水曜日/年末年始
入場料
無料
◆関連リンク
・酒蔵紹介|大関 – 公式サイト
・甘辛の関寿庵 -大関甘辛- – 公式サイト
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灘の酒蔵は観光地としての景観性に乏しいというか、酒蔵の連続した街並みが残っていない。震災があったので仕方ないと思うが。今からでも街並みとして地域を再建してほしいところ。