『神戸歴史遺産』として新たに「4件」が認定されたみたい。神戸市電・神社など

神戸市では、独自の文化財の保存・活用制度として『神戸歴史遺産制度』を設けてます。

2021年に第1回の認定を行い、第4回となる今回は、新たに4件が神戸歴史遺産として認定されました。

・住吉川の水車小屋跡(上流左岸八輌場・五輌場地点)
・ヴォーリズ六甲山荘(旧小寺家山荘)及びその周辺
・幸殿社本殿 摂社 灯籠 塀 鳥居 手水鉢
・神戸市電車両700形(705号車)・800形(808号車)及び車両図面等関係資料


©水車を未来につなぐ会

住吉川の水車小屋跡跡(上流左岸八輌場・五輌場地点)

住吉川は六甲山系中では豊富な水量があり江戸時代から水車による絞油や精米などが盛んに行われてきました。

酒造業の活況により数を増やし、大正時代には80輌もの水車がありました。その後は時代の変化により減少し、1979(昭和54)年を最後に住吉川の水車小屋は姿を消しました。

現在は、水車小屋跡の石垣や水車が回っていた水路跡などが残っています。申請団体は当地の草刈りなどを行うとともに、見学会や勉強会を実施し、神戸の地場産業を支えた水車小屋の存在を広く知らせる活動を行っています。

所在地:神戸市東灘区本山町田中字神楽岩、本山町岡本字六甲山
所有者:国土交通省近畿地方整備局六甲砂防事務所・神戸市・個人
申請者:水車を未来につなぐ会


©アメニティ2000協会

ヴォーリズ六甲山荘(旧小寺家山荘)及びその周辺

ヴォーリズ六甲山荘は、有名なヴォーリズ設計事務所の設計による1934(昭和9)年建築の山荘で、「六甲山荘(旧小寺家山荘)」として国の登録有形文化財に登録されています。

この建物周辺の景観は大正時代から現在までの別荘地として、六甲山の山荘文化の特徴を色濃く残しています。また敷地内には、明治時代における神戸の地場産業でもあった製氷の溜池跡もあります。

申請者(所有者)はナショナルトラストにより「六甲山荘(旧小寺家山荘)」を購入し、これらを後世に伝えるために意欲的な活動を行っています。

所在地:神戸市灘区六甲山町北六甲4512番51他
所有者:認定特定非営利活動法人アメニティ2000協会
申請者:同上

幸殿社本殿 摂社 灯籠 塀 鳥居 手水鉢

幸殿社は、1752(宝暦2)年7月、旧野田村の鎮守として創建されたと伝わり、当地の産土神として地域の人々に崇敬されてきました。石灯篭の銘や特徴ある亀甲積みの塀の築造時期から、境内は昭和初期に一度整備されたことがわかります。

本殿と鳥居は1960(昭和35)年頃に再整備されたとのことで、代々地域の方々によって大切に守られてきました。地域のつながりを強めるための核として、また旧野田村のシンボルとして将来にわたり守り継いでいくことを地域の方々は考えています。

所在地:神戸市長田区野田町7丁目39
所有者:宗教法人幸殿社
申請者:野田町6・7丁目自治会

神戸市電車両700形(705号車)・800形(808号車)及び車両図面等関係資料

神戸市電はかつて「東洋一の市電」と呼ばれ、1910(明治43)年の開業から1971(昭和46)年の全線廃止まで、明治から昭和にかけて神戸発展の一翼を担っていました。

車両は大正以降、長田工場にて自家製作していました。700形(705号車)は1921(大正10)年製造の車両を1936(昭和11)年に改造したものです。市電として日本初のクロスシートを採用し「ロマンスカー」と呼ばれて人気を博しました。

800形(808号車)は1937(昭和12)年に製造された700形に続く戦前最後の新造車です。この2両と車両図面等関係資料は地下鉄名谷車両基地に保存され、車両は、毎年交通フェスティバルにて公開されています。

所在地:神戸市須磨区西落合2丁目3-1
所有者:神戸市(交通局)
申請者:同上


今回認定された『神戸歴史遺産』の中に知っている場所はありましたか?

『神戸歴史遺産』の詳細や認定制度について興味のある人は、公式サイトでご確認を。

◆関連リンク
神戸歴史遺産 – 公式サイト

 

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やよい

「推し」のライブによく出没します。

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