三田市にある「三田屋本店」で、2018年7月より10月まで各月1回、ステーキレストラン「三田屋本店-やすらぎの郷-」内にある能舞台「有馬能楽堂」で、人間国宝・大槻文藏氏や、映画・ドラマなどでも広く活躍される野村萬斎氏をはじめとした一流の出演者による「能 狂言公演」が開催されます。
能 狂言公演
三田屋本店-やすらぎの郷-「有馬能楽堂」
兵庫県三田市武庫が丘7-5
世界で初めての、能舞台のあるステーキレストランである三田屋本店―やすらぎの郷―。その能・狂言公演は、創業より30年以上続く伝統ある催しとして、広く定着しております。昨年からは上演前のお話付の席種も設定しています。
お食事とともに、能舞台に繰り広げられる幽玄の世界、幻想の世界のすばらしい伝統芸能による、充実したやすらぎの時間をお過ごしください。
2018年7月27日(金)17:30~
解説:高野和憲(たかの・かずのり)
能楽師狂言方和泉流。1972年11月29日生 茨城県出身。野村万作(人間国宝)に師事。国立能楽堂・能楽三役第四期研修修了。能楽協会会員。「狂言ざゞん座」同人。
和泉流狂言《梟山伏》深田博治(ふかだ・ひろはる)
能楽師狂言方和泉流。1967年10月13日生 大分県出身。野村万作(人間国宝)に師事。国立能楽堂・能楽三役第四期研修修了。能楽協会会員。2012年より出身地・大分県で「狂言やっとな会」を主宰。
和泉流狂言《清水》野村萬斎(のむら・まんさい)
能楽師狂言方和泉流。1966年4月5日生 東京都出身。祖父・故六世野村万蔵及び父・野村万作(ともに人間国宝)に師事。重要無形文化財総合指定者。東京芸術大学音楽学部卒業。「狂言ござる乃座」主宰。国内外で多数の狂言・能公演に参加、普及に貢献する一方、現代劇や映画・テレビドラマの主演、古典の技法を駆使した舞台作品の演出、NHK『にほんごであそぼ』に出演するなど幅広く活躍。
2018年8月26日(日)17:30~
大蔵流狂言《萩大名》茂山七五三(しげやま・しめ)
能楽師狂言方大蔵流。1947年8月30日生まれ。四世千作(人間国宝)の次男。自分達の活動の拠点として古典は勿論のこと秘曲の復曲、新作狂言の上演等を積極的におこなう。現在は、あきらと共に、桂米朝一門を巻込み『お米とお豆腐』を立ち上げ、新たな試みに挑戦中。
大蔵流狂言《惣八》茂山あきら(しげやま・あきら)
能楽師狂言方大蔵流。1952年6月12日生まれ。二世千之丞の長男。古典狂言のみならず、小松左京作SF狂言「狐と宇宙人」他、『木竜うるし』(1978)『死神』(1981)等の新作狂言や千年振りの復曲「袈裟求」など演じ、狂言の大衆化に力を注いできた。
2018年9月30日(日)17:30~
観世流能《葵上 古式》大槻文藏(おおつき・ぶんぞう)
能楽師シテ方観世流。昭和17年生まれ。大槻秀夫の長男、祖父に大槻十三。祖父、父並びに観世寿夫、八世観世銕之亟(人間国宝)に師事。平成14年紫綬褒章、平成25年旭日小紫章を受章。平成28年重要無形文化財個人認定(人間国宝)。公益財団法人大槻能楽堂理事長。
2018年10月14日(日)17:30~
観世流能《井筒》片山九郎右衛門(かたやま・くろうえもん)
能楽師シテ方観世流。昭和39年生まれ。片山幽雪(九世片山九郎右衛門、人間国宝)の長男。父及び八世観世銕之亟(人間国宝)に師事。平成23年十世片山九郎右衛門を襲名。片山定期能楽会を主宰。国内外を問わず多数の公演に出演し、能楽の普及活動にも尽力している。公益社団法人京都観世会理事長。重要無形文化財総合指定保持者。
狂言《梟山伏・ふくろうやまぶし》
弟が山から帰ってきてから、どうも様子がおかしい。これは物の怪(妖怪)に取り憑かれたに違いないと考えた兄は、山伏(修行者・祈祷師)のもとを訪ねて、弟を診てもらいます。すると、弟は突然、奇声をあげ始めて…?
童話のような、奇想天外な展開を見せる一曲です。
狂言《清水・しみず》
遠い清水(湧き水)まで茶会で使う水を汲みに行くよう主人から命じられた太郎冠者(使用人)。しかし冠者は、清水に鬼が出て襲われたと嘘をつき、主人の手桶も捨ててしまいます。すると主人は自ら取り返しに行くというので、慌てた冠者は…?
太郎冠者の早変わりが楽しい人気曲を、当代一の人気狂言師・野村萬斎が演じます。
狂言《萩大名・はぎだいみょう》
地方出身の大名が、太郎冠者の勧めで萩が見ごろの庭を見物に行きます。ただ心配なのが、庭の亭主が必ず見物客に和歌を詠むように要求すること。大名は冠者と、和歌のカンニングの方法を打ち合わせてから向かいますが…?
大名と太郎冠者のやりとりに注目してご覧ください。
狂言《惣八・そうはち》
有徳人(お金持ち)が僧侶と料理人を新たに雇おうと、募集の高札を出します。やってきたのが出家したばかりの元料理人と、料理人になったばかり元僧侶・惣八。しかし互いに不慣れで言いつけられた用事ができそうになく…?
料理人と出家。二人の仕事と姿の、アベコベになる様子が笑いを誘う一曲です。
能《葵上・あおいのうえ》
光源氏の正妻・葵上が病に倒れています。医師の治療も高僧の祈祷も効果がありません。霊を呼び寄せる照日の巫女に命じて調べさせると、破れ車に乗り、従者の青女房(冥界に属する女性)を従えた高貴な女性の姿が現れます。
女性は六条御息所の生霊と名乗り、昔の栄華を懐かしみ、光源氏の愛人になり果てて愛欲に沈む嘆きを語ります。しかし留めきれない嫉妬の炎に突き動かされ、病床の葵上を打ちすえます。葵上の身の危険を感じた臣下は、山伏・横川の小聖を呼び出し、御息所の生霊を祈り伏せるよう命じるのでした。
原作は『源氏物語』。葵上は人としては登場せず、舞台上に小袖を置くことで、病臥している様子が表現されます。愛を失った悲しみと、葵上への嫉妬と怒り、元皇太子妃の誇りが葛藤する六条御息所の心中を、人間国宝・大槻文藏の至芸でお楽しみください。
能《井筒・いづつ》
旅の僧が大和国(現在の奈良県)在原寺を訪れると、在原業平の墓に水を手向ける女性がいます。女性は僧に、業平と幼馴染・紀有常の娘が、子どものころ、井筒(井戸の周囲の筒状の囲み)で背比べをしたことから始まった恋物語をし、さらに業平が他の女性のもとに通う時すらも無事を祈ったとも語ります。さらに女性自身が、実はその「井筒の女」、つまり有常の娘の霊だと告げて姿を消すのでした。
僧が寺で夜を過ごしていると、有常の娘は業平の装束を身に着けて再び現れます。業平と一体になりきった姿を井筒の水鏡に映し、夫との懐かしさに浸るのでした。
平安時代以来「筒井筒の仲」といえば、幼馴染の恋の意味で通じた、人気の物語『伊勢物語』。それを原作に、狂おしいまでの愛を描いた世阿弥の秋の名作です。簡素な作り物で表現される二人の思い出の井戸。見込む主人公は心に何を思うのか、想像してご覧ください。
①さじき席(お食事付き)
2階喫茶「羽衣」にて、当日の演目についてのお話をお聞きいただいた後、能舞台間近のお席でご鑑賞いただきます。また、2階喫茶でのお話中には季節の和菓子を、能楽ご鑑賞後には、1階レストランにてお食事をお召し上がりいただきます。
受付/午後4時~ お話/午後4時30分~
お食事/鑑賞後 午後6時45分ごろ
料金/15,000円(お話・さじき席鑑賞・お食事代を含みます)
②レストラン席(お食事付き)
レストラン内のテーブル席(能舞台正面籍および側面)でご鑑賞いただきます。ご鑑賞後、お食事をお召し上がりいただきます。
受付/午後4時30分~ お食事/鑑賞後 午後6時30分ごろ
料金/13,000円(レストラン席鑑賞・お食事代を含みます)
③レストラン席(お食事なし)
レストラン内のテーブル席(能舞台側面)でご鑑賞いただきます。
※ご鑑賞後のお食事ご提供はいたしかねますのでご了承ください。
受付/午後4時30分~ 料金/5,000円
店舗名 | 三田屋本店 やすらぎの郷 本店 |
ジャンル | ステーキ、鉄板焼き、洋食 |
住所 | 兵庫県三田市武庫が丘7-5 |
電話番号 | 079-564-4151 |
営業時間 | 【月~金】11:30~15:30(L.O.14:30)/17:30~21:00(L.O.20:00) ※売店・喫茶は11:30~21:00(L.O.20:00) 【土日祝】11:30~21:00(L.O.20:00) ※ランチは平日・土曜日限定。土曜日は16時まで可 |
定休日 | 元旦 |
リンク | 公式サイト |
駐車場 | あり |
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カズマ
神戸ジャーナル 編集長
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