神戸の街を歩くと、あちらこちらで見かける『神戸ビーフ』の看板。食べてみたいけれど、なかなか手がでないと感じている方も多いのではないでしょうか?
そのような方にぜひ訪れて欲しいのが、新神戸駅前にある「神戸ビーフ館」。
神戸ビーフについて学べる展示エリアと、神戸ビーフを食べられるレストランが併設された、神戸ビーフのことを気軽に『知って味わえる』、日本で唯一の施設です。
今回は神戸ビーフ館の展示をもとに、知ってるようで知らない神戸ビーフの秘密をご紹介します。
神戸ビーフ館は、神戸ビーフの魅力や歴史を発信する拠点として2019年3月にオープンしました。
場所は神戸市営地下鉄「新神戸駅」から直結のビル3階にあり、新幹線や電車の待ち時間に立ちよれるほどの立地の良さです。
神戸ビーフのブランドを管理する「神戸肉流通推進協議会」の協力で、「兵庫県食肉事業協同組合連合会」が運営する、神戸ビーフ『公式』の施設です。
館内の様子
館内は黒を基調とした、高級感のある雰囲気で、大きく展示エリアとレストランエリアに分かれています。
展示エリアは出入りが自由(入場無料)なので、気軽に立ち寄ることができます。ゆっくりみても30分もあれば、神戸ビーフの正しい知識を得ることができる展示ボリュームです。
レストランエリアには、グループで座れるボックス席と、シェフの技を間近に感じるカウンター席が用意されています。
設立の目的
神戸ビーフ館は「神戸ビーフの正しい知識を知ってもらいたい」との思いから設立されました。
神戸ビーフが世界中で愛され、ブランドが大きくなればなるほど、悲しいことに偽物や誤った情報が出回ってしまいます。神戸ビーフ館は、ブランドを維持するために、神戸ビーフのことを正しく伝え、発信する場として誕生しました。
本物を味わえる併設レストラン
「神戸ビーフを食べてみたいけれど手がでない」と感じる方々に一度味わってみて欲しいとの思いから、レストランも併設されており、比較的リーズナブルな価格で、60gからお好みの量のステーキを食べることができます。
神戸ビーフの美味しさの秘密を知り、本物を味わう。神戸ビーフ館では神戸ビーフの良さを知る人が増え、業界全体が盛り上がることを期待しています。
神戸ビーフは但馬牛の中から厳選された牛肉で、厳格な基準をクリアした但馬牛のみ、神戸ビーフとして流通します。以下は、その基準のうち代表的なものです。
・ 但馬牛である
・ 繁殖から出荷まで協議会の登録会員が兵庫県内で飼育し県内の食肉センターでと畜処理されたもの
・ 雌牛または去勢牛である
・ 枝肉の重さの上限が499.9kgまでのものである
・ 肉質等級が「A」「B」4等級以上。脂肪交雑のBMS値No.6以上
但馬牛は他県からの牛を一切入れず、血統を守り続けています。全国に先駆けて明治30年ごろから牛籍簿が整備され、代々の血統が記録されてきました。(現在の和牛登録制度に繋がっています)
加盟店の証のブロンズ像
神戸ビーフに携わる生産者、流通団体、小売業、レストランは登録制となっており、団体に登録して初めて神戸ビーフを取り扱えるようになっています。
小売店やレストランでは、店頭に加盟店の証であるブロンズ像か登録証が掲示してあります。このブロンズ像及び登録証があれば、本物の神戸ビーフを提供していると判断することができます。
科学で裏付けられる美味しさ
神戸ビーフの美味しさは、科学的にも証明されています。神戸ビーフの脂には、旨み成分である「オレイン酸」に代表される「モノ不飽和脂肪酸」の割合が多いことがわかっています。
美味しい牛肉の特徴の霜降りは、脂肪が筋肉の中にこまかくはいりこんだ状態でサシといいます。このサシの融点が神戸牛は他の牛肉に比べて低く、舌の上で溶けるのが特徴です。
カウンター席で神戸ビーフを実際にいただきました。赤身肉60g、サラダ、ごはん、味噌汁がついて3,300円です。
顔が映りそうなほど磨き上げられた鉄板の上にシェフが神戸ビーフをおくと、「ジュー。ピチピチ」と肉が焼ける音とともに、食欲をそそる香ばしい薫りが広がります。
シェフは神戸ビーフをジーッと見つめ、ひっくり返すタイミングを見計らっていました。ひっくり返すタイミングは、鉄板と肉の温度や厚みを見極め感覚で判断するそうです。
鮮やかな手つきで神戸ビーフを焼き上げる姿は、芸術といえる領域でした。
海洋深層水塩・アンデスの岩塩・わさび・ガーリック・しょうゆ・大根おろしとポン酢が添えられています。シェフによると、肉の旨みを知るためにまず塩で味わうのがおすすめです。
赤身肉なのに、一切れを歯で噛み切れる柔らかさに驚きます。噛むほどに脂が口の中に広がり、パサつき感がなく溶けるようになくなったのです。
神戸ビーフは噂に違わない味で、ひと口食べれば違いがわかると納得できます。
レジ横ではTシャツやネクタイなどの神戸ビーフグッズが販売されています。
神戸ビーフをまだ食べたことがない人は、ぜひ神戸ビーフ館を訪れてみてください。
神戸が世界に誇るブランド神戸ビーフの歴史を知り、舌でとろけるような食感を体感してみてはいかがでしょうか?
神戸ビーフ館
住所 兵庫県神戸市中央区北野町1コトノハコ神戸 3F
アクセス 新神戸駅より徒歩1分(駅直結のビル)
展示エリア営業時間 11:30~20:00(不定休)
レストラン営業時間 昼11:30~15:00(ラストオーダー14:00)
夜17:00~20:00(ラストオーダー19:00)※予約不可
定休日 月・火曜日(祝日の場合は翌日)
公式サイト https://kobebeef.gallery/pages/outline
【取材・文】 平あかり
大阪北摂在住。ライター&ベビーシッター&料理代行のパラレルワーカー。「心にあかりをともすライティング」をモットーにライター活動をしています。好奇心旺盛ではじめての場所や人に会うのが好きです。食、子育て、取材、インタビュー記事を中心に執筆しています。
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