12月上旬に行われた神戸市の臨時会見で、『神戸マラソン』のコース変更を検討していることがわかりました。
折り返し地点を明石市域に延伸するほか、フィニッシュ地点も神戸市中心部のウオーターフロントエリアに変更する構想です。
伸びないタイム、原因はフィニッシュ付近の「難所」
神戸マラソンは「感謝と友情」をテーマに、2万人のランナーが神戸の街を駆け抜けるマラソン大会として、2011年にスタートしました。
2023年11月に行われた第11回大会の「神戸マラソン2023」では20,366人が出走し、完走者は19,579人。完走率は96.1%となっています。
優勝タイムは男子が2時間11分19秒、女子が2時間33分4秒だったそうです。
神戸市会見資料より
会見を行った久元喜造 神戸市長によれば、主要な国内マラソンの大会記録と比べると、神戸マラソンのタイムは伸び悩んでいる傾向にあるんだとか。
その理由として、フィニッシュに近いところにかなりの高低差があり、コース終盤の約38km地点からの「上り」が大変なコースになっていることを問題点に挙げています。
神戸市会見資料より
あわせて、神戸大橋からの「下り」もスピードの出しすぎに注意する必要があり、この「神戸大橋」前後が神戸マラソンにとって”難所”になっているのです。
「神戸大橋」を含むルートを解消、市中心部フィニッシュへ
現在の神戸マラソンのコースは、神戸市役所前をスタートして、「湊川神社」や「鉄人28号」モニュメントの前を通過し、須磨海岸や垂水の海岸を走って、明石市手前の「西舞子」で折り返します。
復路は海沿いを走って浜手バイパスを通り「神戸大橋」へ。ポートアイランドの市民広場周辺がフィニッシュ地点です。
難所とされているのは、神戸大橋に向かう浜手バイパスの上り坂で、バイパス入口から最初の150mで10m以上のぼる部分。このアップダウンのしんどさはランナーから多くの声が挙がっていたんだそう。
さまざまなマラソン大会において、高低差はある程度はありますが、神戸マラソンにおける神戸大橋前後の高低差は、ほかのマラソンのコースに比べるとかなり大きいんだそうです。
そうした経緯もあって神戸マラソンのコース変更について、検討委員会を設けて検討を重ねてきたものの、「神戸マラソン」と冠していることもあり、神戸市域でコースを完結させることを前提にしていました。
東側に延伸するにも、三宮周辺では再整備を行っており、従来以上に東に延伸することは難しいと判断したそうです。
西側にコースを延伸することについて明石市と協議し、折り返し地点を現在の「西舞子」から「大蔵海岸」に変更する案で検討しています。
明石市の大蔵海岸は、目の前に明石海峡大橋が見える絶景のロケーションとして知られています。淡路島を間近に見ることができ、ランナーが気持ち良く走れるのではないかと候補に挙がったそうです。
フィニッシュ地点も難所の神戸大橋を通るルートから、神戸の中心部のウオーターフロントエリアに変更する方向です。
現時点では、ウオーターフロントエリアにおいてどういうルートを走り、どこをフィニッシュとするかは検討中ながらも、かなり大きなスペースがあり、フィニッシュ後の着替えなども考慮すると「メリケンパーク」は候補の一つだと考えているようです。
ただ、マラソン実施時は大規模な通行止めを行う必要があるため、久元市長は関係各所としっかり検討を重ねて、地元の理解を得たうえで検討していきたい、と答えています。
「タイム短縮」だけでなく「魅力アップ」も目的
神戸マラソンは、競技レベルや年代を超えて、トップランナーも市民ランナーも走る「市民マラソン」です。
参加する大多数はマラソンが好きな一般市民とみられますが、今回のコース変更構想について、久元市長は「マラソンタイムの短縮を図ることだけが目的ではない」としています。
魅力を向上させるということですね。神戸マラソンの特徴は、市街地から出発をして、そして、海沿いを走り、美しい景色を眺めながらフィニッシュをするというコースの魅力が、コースに魅力があるということも多くのランナーを引きつける要因になっています。
これは市民にとってもそうです。そういう神戸マラソンに市民も参加したいということですから、魅力を高めるということと、あと、やはりタイムがよりよくなるということで、より実力のあるランナー、内外からのランナーに来ていただける。これは二律背反ではなくて、両立ができる話だと思います。
あわせて久元市長は、神戸大橋前後のアップダウンがきつく、ランナーへの肉体的・精神的負担があるとして「そういうところが今回のコース変更によって大きく解消されるということも言えると思います」とコメントしています。
コースに明石市域が入ることで「神戸マラソン」から名称が変わる可能性については、明石市側とも相談のうえ、これまで通り「神戸マラソン」として続けていく方向だといいます。
阪神・淡路大震災30年の「2025年」に実現目標
会見後の12月18日(月)に、「神戸マラソン将来構想検討委員会」が将来構想最終提言のとりまとめ協議を実施しました。
12月中に、同検討委としての最終報告をする見通しです。
同検討委の報告後は、神戸マラソンのコースを決定する「神戸マラソン実行委員会」での検討や、地元への説明などの合意を得て、コースを決める流れになるようです。
神戸市は、阪神・淡路大震災から30年の節目であり、大阪・関西万博開催年にあたる2025年に実現できるように進めるとしています。
神戸の秋の風物詩として定着しつつある「神戸マラソン」。実現はまだまだ先になりそうですが、ランナーはもちろん、神戸マラソンに関わる人にとって今回のコース変更案は大きな話題を呼びそうですね。
◆関連リンク
・神戸マラソン – 公式サイト
神戸マラソン4回走りましたが
あの神戸大橋前後の眺めと
1番印象に残ってるのは
あの大変さを越えて ゴールするのが感動だったんだけどなー
コース変わったら走らないかもです残念
真っ直ぐ西へ行ってまた東へ帰るのは‥
明石市で折り返すなら、灘区や東灘区からスタートすれば良いんじゃないんですか?
神戸マラソンと言うのに、東神戸を使わず、明石市を使うのは何となく納得できないです。
今年、初めて神戸マラソンに参加しましたが海沿いのコースは結構退屈でしんどかったですね。
それが延びるのは辛さが増しますね…