神戸ピーポーNo.13「あやか」さん。「ADHD(注意欠陥多動性障害)」の自分を発信するYouTuber

神戸に住んでいる人&活動する人を紹介する「神戸ピーポー」。今回は、YouTuber「あやか」さんをご紹介します。

神戸に住むあやかさんは、発達障害のひとつ「ADHD」である自分の体験などを動画投稿サイト「YouTube」で『うっかり気まぐれ同好会』というチャンネルを作って発信しています。

「人と接するのが好き」というあやかさんは、明るい声でお話上手、普段は会社員で「営業」や「企画」を担当しバリバリ働いてます。

注意欠陥多動性障害「ADHD」は、生まれつきみられる「脳の働き方の違い」で起こる「発達障害」の1つで、「落ち着きがない」「待てない」「注意が持続しにくい」といった特徴がみられるもの。

あやかさんは普通に話しているときに「頭の中が多動になる」そうで、目に入ったものに次々に気をとられたり、「うっかり」することも多いので、チャンネル名を「うっかりきまぐれ」にしてます。

あやかさんが自分がADHDであると分かったのは、「子どもの頃から」ではなく、「働き始めたあと」25歳の時のことです。

仕事で「事務職」についた時、単純作業ができない自分に驚き「なんでこんなにできないんだ?」と悩んだ末「うつ状態」に。

会社に行けなくなり家族の勧めで「心療内科」へ。親御さんも一緒に行き、子どもの頃からの様子なども聞き取る中でADHDとの診断を受けました。

振り返ってみると小学生の頃は、家で衝動にまかせて走ったり体を揺する様子があったそうです。ただ、人の目のある教室で走り回ったりはせず、学力的にも問題ないうえ、部活では「部長」を任されたりもするほどで、気づくことはありませんでした。

学生時代の「勉強」と、社会に出てからの「仕事」では脳の使う部分が違い、大人になってから壁にぶつかりADHDだったと分かる人は、けっこういるそうです。

診断を受けた時、「何でできない?」の原因がわかって「ホッとする気持ち」と、「これからどうやって生きて行けばいいの?」という「不安な気持ち」が半分半分だったあやかさん。

家族や市の「発達障害者相談窓口」などで話を聞いてもらう中で、周囲が理解しにくいADHDの自分、まず誰よりも自分が理解することが必要だと知ります。

「苦手なこと」ばかりに目を向けず「得意なこと」は何かを見つめ、「得意な事」を生かせる道は何なのか?を徹底的に自己分析。

 

 

頭の中でいろいろな情報が飛び交いつながるから「新しいアイデア」を生み出せる、「単純作業が苦手」は裏を返せば「変化を好む・挑戦できる」など、ADHDだからこその「強み」を見つけました。

そして、受け入れてもらえるか不安はありながらも、あきらめずに会社にアタック。自分がADHDであることを伝え、何が得意で何が苦手かをまとめた「わたしの取扱説明書」を持って説明し、「事務」から「営業・企画職」へ異動させてもらえることに。

会社の上司や同僚の反応が気になるところですが、みんなADHDについて勉強してくれて、指示の仕方を「〇月〇日までに」など明確に伝えるなど工夫をしてくれたり、仕事を抱えすぎていないか気づかってくれたり、「恵まれている」と感じているそうです。

YouTubeでは、あかやさんが直面した「仕事」でのこと、「日常」の過ごし方、ADHDとしての「人生観」、症状を緩和する「薬」の経験などについて自分の言葉で話します。

自分の「工夫」や「考え方」を共有することで、症状とうまく付き合う「ヒント」や悩んだ時の「希望」になれればと考えているそう。

「ブログ(文字)」じゃなくて、あえて顔を出し「動画」なのは、しゃべっている雰囲気などを実際にみてもらい、一般の人にADHDの人が大きく変わるわけじゃないと感じてもらう狙いもあります。

あやかさん曰く「すごく違う存在ではなく、たとえば考え方や感じ方が違うのが当たり前な「外国の人」くらいに思ってみてほしいんです。接するときも「異文化交流」という気持ちでいてもらえるといいのでは」とのこと。

あやかさんがしゃべり続けるいわゆる「語り動画」スタイルですが、内容はなんとなく思いつくままではなく、事前にノートにまとめて、頭の中を整理しています。

この作業の中で改めて自分に向き合い、理解する機会にもなっているみたい。

YouTubeでの発信は収入を得るところまではいっていないので、「撮影機材」や「パソコン」は自分で用意。撮影だけで約1時間、多い時は10回もやり直すとか。

さらに編集作業には、1本につき「約6時間」かかるそう。見てくれている人の多くがADHDの人で、話している内容が頭に入ってきやすいように「字幕」を入れて!という要望もあって、けっこうな体力をかけてやってます。

そこまでできる一番の理由は、ADHDの人が壁にぶつかることで、かつての自分のような「うつ病」や「ひきこもり」などの「2次障害」になるのが一番残念という想いがあるからだと話してくれました。

あやかさん自身、いまは「ADHDでよかった」と思っていて「少数派だからこそ感じられる世界」とポジティブに捉え、自分にできることをやり続ける意気込みです。

YouTubeチャンネルでは、今後「結婚」や「子育て」など人生のライフステージごとに壁にぶつかったら、それをどう乗り越えるのかを発信して、見ている人ともに一緒に頑張っていきたいと話していました。

神戸ピーポー No.13「あやか」さん コメント

神戸との関係
母の出身の淡路島で生まれ、明石に住んでいましたが、3歳になる頃に神戸に引っ越してきました。そこからずっと神戸に住んでいます。
山と海に囲まれたおしゃれな神戸の街が大好きです!六甲山からの神戸の夜景は何度見ても飽きないですし、心癒やされたいときにはよくハーバーランドに行って神戸の海をぼーっと眺めています。神戸の街にはたくさんの私の思い出が詰まっています。

最近のおすすめスポット
カフェ巡りが好きなので、いろいろなカフェによく行くのですが、最近はまって何度も通っているカフェはJR三ノ宮駅から北に徒歩3分ほどのところにある「GREEN HOUSE Wald」です。名前の通り、店内にはたくさんの植物があって、グリーンを基調にゆっくりくつろげる雰囲気で、リフレッシュされたい方にはとてもおすすめなカフェです。

ひと言
発達障害についてだんだん認知されるようになってきましたが、もっと多くの方に知っていただき、当事者の方が生きやすくより自分の能力を発揮できるように、また周りの方もサポートしやすくなるように、参考にしていただけるような情報の発信を頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!

◆関連リンク
うっかりきまぐれ同好会 – YouTube

 

この記事を書いた人

カオル

とりあえず「食パン」を買う人です。

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