2021年4月に開業した「神戸三宮阪急ビル」が、『2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)』を受賞しました。
神戸市中央区加納町4-2-1
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動のこと。1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきたそうです。
グッドデザイン賞の受賞にあたって、歴史・えきまち空間・ライトアップの3点が、デザインのポイントになっています。
1つ目は、旧神戸阪急ビル東館のデザインを継承し、シンボリックな外観を形成したことです。
1936(昭和11)年3月から1995年1月の阪神・淡路大震災で大きく損傷して解体されるまで、60年近くにわたり神戸三宮のシンボルとして親しまれてきた「旧神戸阪急ビル東館」。
その記憶とフォルムを継承するため、旧ビルの特徴だった円筒形の塔や大きなアーチ窓の形状が採用されています。ビル東側のコンコース部分には、約90年前の高架躯体のアーチ構造を活かしたデザインも。
高層部は、低層部の色彩などを踏まえつつ、彫の深いデザインにすることなどによって、シンボリックな外観を形成しているそうです。
駅と周辺街区をつなぐ「えきまち空間(回遊空間)」を整備し、誰にとっても利用しやすい賑わいのある街づくりを推進したこともポイント。
駅の構外コンコースと駅前の公共広場を連続性のあるデザインにすることで、駅と街との一体感が演出されています。
北側のビル沿いの歩道部分が、石畳の道に整備され、飲食店のオープンテラスが設けられて、明るく賑やかになりましたよね。
さらに、神戸の見どころの1つである夜景の魅力をより高めようと、ライトアップなどさまざまな演出が行われています。
神戸市内の他のライトアップ施設と連携して、「KOBE ライトアップDAY」などの催事に合わせて光のメッセージを発信しているんだとか。
最上階には、展望レストラン&バーのほか、一般公開された部分(現在はコロナ禍のため閉鎖中)もあって、景色が楽しめるそうです。
評価コメント
駅という場所は、そのエリアに関わりのある市民にとってはもちろんのこと、旅行者にとっても記憶に残る特別な場所であり、街を象徴する存在でもある。
震災前に市民に親しまれてきた旧神戸阪急ビルのフォルムと装飾を残した低層部と、オフィス・ホテル等の機能による高層部。それらは異なるフォルムでありながらも、素材感や陰影といった表現により上手く調和が図られている。
賑わいが街ににじみ出す飲食店街とともに一体的な街なみ形成を実現し、街のランドマークとして、長期にわたり愛される場所として俯瞰的な視点で複合的にデザインされている。
昔と今がうまく調和されていて、街のランドマークとしての複合的なデザインが評価されているみたいです。デザインに注目して、旧神戸阪急ビル東館の面影を探してみるのも面白いかもしれません。
◆関連リンク
・EKIZO神戸三宮 – 公式サイト
・GOOD DESIGN AWARD – 公式サイト
ゆう
推しプリンを探しています。
ライター一覧