1800年前から神戸を護る「生田神社」。縁結びに、都会のオアシス、歴史と新しさで続いていく「生田さん」をゆっくりお参り

悠久のときを感じる「都会のオアシス」と「水みくじ」

境内の山側のエリアには、「都会のオアシス」と呼ばれる「生田の森」があります。さきほどの「稲荷神社」の西側です。

およそ1600㎡あるこの森は、神社がここにうつるより前からあって、もっと広大だったそう。

樹齢800年を超す楠(くすのき)があるこの森は、平安時代の「枕草子」などさまざまな文学作品や歌に詠まれてます。

秋風に またこそ訪(ど)はめ 津の国の 生田の森の 春のあけぼの
順徳院(続古今和歌集)

春の曙のころ訪れたが、秋風の頃にまたきっとこの生田の森に訪れたい)

素晴らしさが歌に詠まれる一方で、「源平合戦」の「戦場」になったこともあって、「平家軍」が生田の森に陣を構えていたといった記録が残っているようです。

巨木を見上げると、いろいろと想像が膨らむんではないでしょうか。


画像提供:生田神社

春には、平安時代の世界を再現した「曲水の宴」(4月上旬)なども行われていて、「琴」や「雅楽」が流れる中、歌を詠む様子を見ることもできます。

「生田の森」にもお社があって、「安産」や「万物成長」の守り神として「神功皇后(じんぐうこうごう)」が祭られてます。

その「神功皇后」が神戸で生み出したものの一つが「かまぼこ(蒲鉾)」

すりつぶした魚肉を「鉾(ほこ)」の先につけて焼いたという伝説があって、お社の隣には「かまぼこ発祥の地」の石碑。

こうした神戸の歴史の発見が、境内をぐるっと歩いてまわるだけで、けっこうある印象です。

お社の東側にあるのが「縁むすびの水占い」。

最初にくぐった「楼門」の東側にある建物で「水みくじ」(初穂料300円)を引くことができます。

占えるのは、「色」「願い事」「縁談」「場所」「総合恋愛運」。

水に浮かべるとこんな感じに。浮かび上がった文字は、水の上で読むのが一番読みやすかったです。

長くつけすぎると、にじんできてしまうので、ご注意を。

すぐ近くに、屋根付きの休める場所もあるので、「水みくじ」をやっている人がいたら、みんな並ばずにのんびり待つというスタイル。

ちょっと一休みするのにも、良さそうな場所でした。

「生田の森」を西から出て少し海側に下ったところは、「市杵島神社(いちきしま・じんじゃ)」。

祭られているのは、琵琶(びわ)を持つ女神「弁財天」で、「音楽・芸能の神」ということで、有名人なども訪れているとか。

すぐ横にある絵馬掛所には、成功を祈る絵馬などもかけられていました。

この柱の向こう側に、見えているのが、「生田の池」。

「生田の池」も森と同様に、長い歴史があり詩歌などが残っています。

紅葉の色づきなど、今も季節ごとの表情を味わえるスポットで、一句詠んでみるのもいいかもしれません。

さまざまな神様にお参りすることができる「生田神社」、ご利益を授かれるよう「お守り」もチェックしてみましょう。

 

この記事を書いた人

カオル

とりあえず「食パン」を買う人です。

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1 個のコメントコメントを残す
  • みかん

    生田神社のことを調べていたんですけど、この記事はとても参考になりました。ありがとうございます。あと、わがままを言いますが、異人館のことを調べてもらえると幸いです。

    2022年9月26日11:11 AM 返信する