神戸市の適性のない教員は「他職種へ配置転換」される模様。

小学校
神戸市が1月に発表した『神戸市教育大綱(平成28年1月)』を詳しく見てました。


神戸市教育大綱は、神戸市の教育振興基本計画では明確になっていない事項や特に課題のある事項について7つの方針を定めたそうです。

  1. 学力の向上に取組みます。
  2. 教員の資質向上を図ります。
  3. 学校の組織力を強化します。
  4. 教員の多忙化対策に取組みます。
  5. 学習の機会均等を確保します。
  6. 子供たちが健やかに育つ環境を整備します。
  7. 教育に関する科学的な調査研究を進めます。

全文はリンク先を見てもらうとして、今回は特に気になった点として「2.教員の資質向上を図ります。」という項目について取り上げたいと思います。


長いので小さめの文字です↓↓
2. 教員の資質向上を図ります。

小中学校教員に対する社会の期待は大きく、そのような期待に応えられるような教員の育成に取組んでいくことは、教育行政の大きな使命である。教員育成に払われてきたこれまでの努力を尊重しつつ、従前の慣行にとらわれることなく、教員育成方策の刷新を図っていくことも必要であり、採用、研修、個別指導、分限・懲戒など一貫した人事政策の確立を図る。その際、多くの教員が自らの責任感と探究心により自己研鑽に努めている一方、児童生徒や保護者からの期待に十分応えることができていない教員がいることも念頭に置く必要がある。

教員は、採用後すぐに教育現場の第一線に立つことになることから、教員としての役割を適切に果たすことができる幅広い知識や素養をもった、人間的な魅力あふれる人材を採用しなければならない。すなわち、教員には、指導力や授業力に加え、子供に寄り添い、子供をやる気にさせるなど総合的な人間力が求められる。神戸市立小中学校教員に求める人物像をはっきりと示し、その上で求める人材を最も的確に採用できる採用試験の方法を確立する必要がある。特に試験問題については、細かな知識を問うのではなく、読解力、コミュニケーション能力、英語力とともに、自然や社会に対し十分な関心を有しているかなどの視点を重視していく。

教員に対する研修については、指導力や授業力の向上のほか、教員自身が社会性や広い視野を身に付けて人間力を高めることができるよう、危機管理を含む幅広い知識・経験の修得を重視し、外部人材の登用を含む教育委員会の研修体制の強化を図る。また、教員の自主的な資質向上に対する支援も行う。

指導力や授業力、問題解決能力などに課題がある教員への個別指導を強化し、そのような対応を行っても教員としての職務遂行が期待できない教員については、適性に応じた他職種への転換も視野に入れる。さらに、どのような方策を講じても改善が見られない者については、分限免職の可否についても検討を行うこととする。また、教員としてふさわしくない行為を行った職員については、厳正な処分を行う。

神戸市は去年、今回の教育大綱を策定するにあたり市民にアンケートをとっています。その中で意見が多かったのが、「教員の資質」です。


ここには現状の様々な問題があるように思いまして、「モンスターペアレントの問題」「クラブ活動の顧問になるとめっちゃ忙しい」「そもそも授業以外に業務が多すぎる」「先生の世界が社会と少し違う」「子どもの事を考え出すとプライベートがなくなる」「先生として採用されれば他の職種への人事異動がない」などなどです。


改めて考えると、先生は「労働者という側面」と「教育者という側面」がありますから、「昔の先生はこうだったから先生はこうあるべき」とかって議論は今は少し難しいかもしれません。


他職種への転換については、「学校教育現場でのスキル」が足りないという話であって、社会人として適性がない訳でもありませんから、先生としても良いと思います。一般企業の人でも、技術系の人が合わないので営業に異動したり、またその逆もあったり。異動先で開花する人もいるワケで。


少なくとも、「公務員だから」「先生だから」という話に留めないで、家庭でもしっかり教育をし、その上で先生としっかり議論。地域、家庭、学校が一緒になって学校教育を支えていくという形が望ましいと思います。


◆関連リンク
神戸市教育大綱(平成28年1月) – 神戸市役所


 

この記事を書いた人

カズマ

神戸ジャーナル 編集長

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