画像:広報たんばより
兵庫県丹波市では、ここ3年間で「路線バス」の利用者数が約2.7倍に増加しています。その背景には、バスの減便や路線廃止を防ぐために、市とバス事業者らが取り組んでいる「通学定期の購入補助」や「ルートの見直し」などの努力がありました。
全国的に、路線バスをはじめとする地方の公共交通の経営状況は厳しく、兵庫県内の多くの地域でも、需要減少や経営の悪化、運転士不足の深刻化などにより、公共交通の維持・確保が厳しい状況です。
画像:丹波市地域公共交通計画より
広大な市域に集落が点在し、マイカーで移動する市民が多い「丹波市」でも、公共交通の利用者は減少傾向なんだそう。
特に「鉄道」の減少が顕著ですが、路線バスも利用者が減っていて、2004年度に約19万7000人だったところ、2020年度は約4万8000人と4分の1ほどまで落ち込みました。
そこで市とバス事業者らは、路線再編や、学生向けの通学定期購入補助、神姫バスICカード乗車券の配布といった施策を実施。
利用者数は2020年度比で約2.7倍となる、年間約13万人まで回復したそうです。
今年4月からは、新規路線を運行する社会実験もスタートしました。
路線バスが走っていない地域と丹波医療センターを結ぶルートの需要を検証しているそうです。
画像:丹波市地域公共交通計画より
丹波市では2027年度までの計画で、公共交通の課題解決に取り組むみたい。
鉄道や路線バスを基幹交通、デマンド(予約)タクシーやふれあいバス(コミュニティバス)などを補助的な位置づけとして、だれでも・わかりやすく・利便性の高い公共交通づくりを進めていくそうです。
路線は一度廃止になると復活するのは難しいのだとか。利用者が減少すると減便や廃止につながり、利用者がさらに減少する悪循環に。路線再編や需要掘り起こしでV字回復した丹波市の取り組みは、公共交通の維持に課題を抱える自治体の参考になりそうですね。
◆関連リンク
・丹波市 – 公式サイト
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
ライター一覧