✔︎『神戸ダイアリー』はじめました。 地元ライターがお散歩中に見つけた「美味しい」「楽しい」などありのままの日々をつづっています。『神戸ダイアリー』が、お出かけのきっかけになるかも。
JR和田岬駅から海側へ5分ほど歩くと、『淡路屋』という100円でクレープが食べられる駄菓子屋さんがあります。
お店を正面から見ると、右側に店主である伊藤さんが立つクレープの焼き台、左側が駄菓子売り場です。
元々は、1994年に店主の伊藤さんが先代の母からこのお店を引き継いだ際に、食堂からクレープ屋さんに改装したそう。
しかし改装以来なぜか子どものお客さんばかりが来るようになったので、駄菓子や玩具を置いていくうちに、気付けば現在の形に落ち着いたとのこと。
Index
・時間が止まったような駄菓子屋さん
・「とらいあんぐる」の100円クレープ?!
・ずっと受け継がれていく想いとは
時間が止まったような駄菓子屋さん
左側の入り口から入ると、昭和の駄菓子屋さんの雰囲気そのまんまの店内。ここだけ時間が止まっているようです。
たくさんの駄菓子に囲まれていると、まるで自分も子どもに戻ったような気分になるから不思議。
くじを引いて出た番号の商品をゲットできる「ラーメンあてものくじ」なんて珍しいくじ引き駄菓子もあります。全部の味を制覇してみたくなりますね。
また現在製造している駄菓子だけではなく、昭和の頃に販売されていたであろう懐かしい文具やフィギュアなどがところ狭しと売られています。
「とらいあんぐる」の100円クレープ?!
まずは100円クレープを注文することにします。100円で食べられるのは、左上の「ミニクレープ」というカテゴリーの小さなサイズのもの。
100円を超える商品は、サイズもボリュームも種類も一気に増えます。
生地のベースは小麦粉とクレープの粉のミックス。そこにラム酒とバニラエッセンス、兵庫県産の卵を溶き入れています。
レシピは、以前湊川にあったクレープ店「とらいあんぐる」と同じです。
早速焼いてもらうことにします。
今日は、100円クレープの中から人気の「バナナ」と「チョコレート」の2種類を注文!
伊藤さんは「とらいあんぐるさんのような、おいしいクレープが焼きたい!」と、「とらいあんぐる」で修行をしていたそう。
「バナナ」には、バナナだけではなく、贅沢に缶詰のみかんも切って入れてくれます。仕上げに蜂蜜もとろり。
「チョコレート」は、シンプルにたっぷりのクリームにチョコレートソースが。
クレープ 100円(税込)
完成した100円クレープは、クレープシートで具材を包みきってくれています。こうすることで、子どもたちが立ち食いをしても服が汚れることが少なくなるそうです。
「バナナ」味は、新鮮なバナナと缶詰のみかんの酸味が爽やかでフルーティー。
「チョコレート」味は、駄菓子のチョコレートの味がするチョコレートソースがかけられていて、チョコのお菓子を食べているようです。
アップル 120円(税込)
クレープと一緒に、「アップル」もお願いします。
神戸市長田区でラムネを製造して60余年の「兵庫鉱泉所」製のドリンク「アップル」は、名前と違い「アップル」味は一切せず、みかん風味の懐かしい味わいです。
飲むと甘さは控えめでほんのりと酸味があり、駄菓子屋さんで売っているプラスチック容器のジュースのよう。
ネット通販はしておらず、主に銭湯や駄菓子屋で販売しているそうです。
ぱりぱり 100円(税込)
こんなにたくさんメニューがあるなら裏メニューもあるのでは?と尋ねてみると、伊藤さんが教えてくれました。
裏メニューの名前はその名も「ぱりぱり」です!
20年ほど前に子どもたちから、クレープを固く焼いて!とリクエストされたことから誕生したこのメニュー。
早速食べてみると、ソフトクリームのような味がします。クレープとはまたひと味違って、ぱりぱりの食感が楽しい!
かき氷 180円(税込)
『淡路屋』では、クレープだけではなく、かき氷もお手頃価格です。
味は6種類あって、今日は珍しい「コーラ味」を注文します。
刺されているストローですくって食べてみると、しっかり駄菓子のコーラの味がします。
この圧倒的なラインナップは、子ども達のリクエストを何十年も聞いているうちに気付けばどんどん増えていった結果だそう。
兵庫県民ならみんな懐かしい、給食に出ていた「とくれん」のオレンジゼリーもありますよ。
ずっと受け継がれていく想いとは
※提供画像
『淡路屋』は1958年に伊藤さんの祖母の片田きよ子さんが創業したお店。
青果・鮮魚などを小売する「片田商店」として創業したのち、ご近所にある三菱の工場で働く人たちに向けて、仕入れた食材を調理する大衆食堂へと業態を転換。
その際に、店名を初代である祖母の片田きよ子さんの出身地である淡路島にちなんで店名を変更したのが「淡路屋」のはじまり。
※提供画像
写真は、駄菓子を置き始めた頃の伊藤さん。母・博子さん、祖母の故・きよ子さんと三代がそろってお店を切り盛りした時期もあったそうです。
現在はコロナのため一部だけ空けていますが、本来は両サイドが畳敷きの座席になっています。造船の町だけあって、船大工さんがこの形に造ったそう。
絶妙な間隔でテーブルがあって、知らないお客さん同士でも気軽に喋り合える、他にあまりない形のこの席に座ったときに、「この雰囲気を一度なくしたら、もう二度と再現でけへんやろうな。ああ、ここをなくすん、寂しいな。」と思い、お店を母から継ぐことを決意したそうです。
今日も伊藤さんは、小学校から帰ってくる子ども達を笑顔で迎えます。
小さかった子どもたちが、自分の子どもを連れてまた買いに来ることも少なくないそう。
伊藤さんの祖母から受け継がれてきた想いが、『淡路屋』を訪れる子どもたちにも伝わっていく。
こんな素敵な循環がこれからもずっと続くようにと願いながら、お店を後にしました。
【店舗名】淡路屋
【ジャンル】駄菓子屋
【住所】神戸市兵庫区笠松通7-3-6 MAP
【電話番号】078-671-1939
【営業時間】11:30~18:30
【定休日】月曜日
【リンク】公式サイト
【駐車場】なし
※紹介した情報は、記事執筆時点の情報です。また、神戸市内の開店・閉店情報、イベント、街の変化など、情報を求めています。ぜひ情報提供をお願いします。※自分のお店でもOKです。
湊川公園のクレープ!チョコレート懐かしい。子供の頃、大好きでした!ギリギリ校区内だったので、ドキドキしながら買いに行ってたなぁ。30年以上前から値段が変わらないなんて!
とらいあんぐるというお店だったんですね。今でも食べられるなんて感激
帰省したら子供を連れて行きたいです‼️