神戸のクリエイターへインタビュー『魅力を最大化して、世の中に発信する。』ディレクター・古本 晃靖 ~CREATORS LETTER~

神戸市内で活躍するクリエイターの情報を発信する『CREATORS LETTER』。

クリエイターと企業をつなぐウェブサイト「KOBE CREATORS NOTE」と連携して、デザイナーやディレクター・カメラマンなどさまざまなクリエイターの作品や活動への想いをご紹介していきます。

Banana Species 古本 晃靖(ふるもと・あきのぶ)  ディレクター 

1983年生まれ。神戸の大学を卒業後、印刷会社へ入社。

その後、コピーライター、プロモーションプランナー、クリエイティブディレクターとしてデザイン会社、広告代理店、編集プロダクションに勤務し、2019年5月、「令和」元号スタートと同時に独立しました。

神戸市東灘区在住、二児の父です。

『仕事で大切にしていること』
① 世の中に魅力のない人、モノ、企業なんてないと考える。
② 作ることを目的とせず、解決することを目的とする。
③ 臨機応変に。杓子定規な対応をしない。

なぜ、「ディレクター」をやっているのか?

私のキャリアはコピーライターから始まりました。

大学卒業後、印刷会社やデザイン会社でパンフレット・ポスター・雑誌広告・WEBサイトなど、さまざまな案件に携わり、コピーライティングの経験を積ませてもらったことが、今の自分の礎になっています。

でも、ある日、ふと思ったんです。「自分が携わってる業務って、プロモーションの一部でしかないんだなぁ」と。お客様に「受注が決まりました!」という言葉をいただいても、自分の力ではないような気がして、どうも素直に喜べなかったんです…。

その時に、もっと根っこから「広告」や広告主である「お客様」と向き合いたいと考えるようになり、プランナーとして広告の企画やプロモーションの設計から関わるようになりました。

そうすると、自ずとデザインや撮影についても自分の考えや熱意を伝えていく必要がでてきたり、ブランディング戦略に携わる機会が増えて、ディレクターという形で案件の指揮を執ることが多くなっています。

もちろん今でもコピーライターとして「取材」や「原稿作成の案件」に関わったり、プランナーとして「プロモーションの設計」や「アイデア出し」の場に出向くこともあります。

案件に応じて、コピーライター/プランナー/ディレクターと、三足の草鞋を履いて都度必要な役割を担っているのが、今の私です。

神戸で活動する理由

神戸は「古本」という人間の半分以上を形成してくれた場所だと思っています。

神戸の街にどっぷり浸かり始めたのは、甲南大学に入学した18歳の時から。

生まれ育った大阪とはまったく空気感が違い、街並みも、文化も、人も、なんて味わい深いところなんだと思い、衝撃というか正直ちょっとショックだったのを覚えています。

大学ではJAZZ研究会に所属し、演奏で神戸のいろいろな人と関わらせてもらいましたし、遊ぶ場所と言えば神戸市内だったので、ほぼ365日×4年間は神戸での思い出しかありません。18~22歳という多感な時期を、神戸で過ごせたことが、私の人格に大きな影響を与えていることは間違いないと思います。

卒業後は就職先が大阪だったので、しばらく大阪で暮らしていましたが、結婚して子どもができたタイミングで、神戸で生まれ育った妻と話し、「やっぱり子育てするには自然がすぐ隣にある神戸が良いな」ということで神戸に戻ってきました。

独立した今、神戸を拠点にして活動する人間として、私がこれまで触れてきた神戸の街や会社、人の “まだ伝わりきれていない魅力” を、クリエイティブの力で最大化し、一人でも多くの人に伝えるお手伝いができればと嬉しいなと思っています。それが、私が今できる神戸への恩返しですので。

代表的な作品と想い

神戸では企業だけでなく、しばしば行政のお仕事にも携わらせていただいています。そのうちの1つが、神戸空港の利用促進を目的とした冊子「SORAVEL」です。

この案件は、神戸デザインセンター様から協働のご依頼をいただきました。

神戸デザインセンター様が、企画・クリエイティブディレクション・アートディレクションを担い、私の方でデザインディレクション撮影ディレクション取材原稿作成などをお任せいただきました。

ちなみに、「SORAVEL」というタイトルも、飛行機を使った旅情報誌であることが感じてもらえるようにと、ご提案させていただいたものです。

今回は、神戸空港と新千歳空港を利用してもらうために、神戸と札幌の魅力あるお店や企業をそれぞれ紹介させていただきました。

発刊後、「SORAVEL」を手に北海道から神戸のお店に来てくれた方がいるという報告をいただき、少し神戸の力になれた気がして嬉しかったです。

また、1年ほど前から「地元民による、地元民のための、地元発掘メディア」として、地域のデザイナー、カメラマン、イラストレーターと共に、地域情報メディアを立ち上げました。

私は神戸市と芦屋市の狭間に住んでいるため、“あしやらへん”という、ゆるい名前で運営しています。

「旅行先の街のことは必死に調べるけど、自分が住んでいる街のことって、実はあんまり知る機会がないよね」ということで、地元の人が見ても「こんな店あったんだ!」と言うようなお店を探して紹介しています。

あしやらへんでもディレクション、企画や取材、原稿作成などを担当しており、私のライフワーク的な仕事です。

ありがたいことに神戸以外にも、大阪や東京のお客様からもお仕事のご依頼をいただいています。

中でも、独立当初よりお付き合いさせていただいているのが岩谷産業様。BtoB、BtoC問わず、さまざまな案件をご相談いただき、ツールの制作に留まらず、いつ・どのようなタイミングで・どのツールを使って告知を展開していくかという、プロモーションの設計から携わらせていただくことも多いです。

プロモーションをまるっと任せていただくことは責任重大ですが、それ以上にやりがいを感じますね。

これからの活動と目指す世界

私が広告の仕事を続ける理由の一つに、“父のような人を、少しでも減らしたい” という想いがあるからです。

父は40年近く小さな商社を経営していました。歳を重ねるにつれて経営状況は苦しくなり、ついには事業を継続できない状況になったんです。

理由は複合的なものでしたが、大きな原因は商品のプロモーションが上手くできていなかったからだと思います。私は広告の仕事をしていながら、父を助けることができなかったんです。それが悔しくて…。

良いものを扱っていても、伝えることが苦手な父のような人は、世の中にたくさんいると思うのです。

そうした方に本気で寄り添いたいという想いが、ずっと心の真ん中にあります。

私がお手伝いできることは、その方の活動のほんの一部かもしれません。でも、良い仕事をしているのに、それが伝わらないのは自分事のように悔しい。

だから、父のように悩んでいる人が神戸でいるのなら、その人数を少しでも減らすことが、私のミッションだと考えています。

プロモーションに悩まれている方は、是非気軽にご相談いただければ幸いです。

Banana Species 古本 晃靖(ふるもと・あきのぶ)    ディレクター 
bananaspecies|神戸クリエイターズノート


神戸市内で活躍しているクリエイターと企業がつながる「KOBE CREATORS NOTE」。興味がある人は、ぜひ、サイトへ。

 

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このみ

花や夕焼け空を眺める時間が好きです。

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