明石海峡を望む高台からの眺めは王様気分。非日常が味わえる『五色塚古墳』に行ってみた

階段を上って聖なるパワースポットへ

前方部から後円部へ、また階段で上がります。この光景も権力者の墓って感じで迫力があって、テンション上がります。写真を撮っても絵になりますし、特別感がハンパないです。

いざ上りはじめると普通の階段なんですが、一段一段の間隔が小さいので長く感じるかも。

あと、横幅が狭いので、人とすれ違う時には少し気を使うかもしれません。

後円墳ということで、一番上には円形の大きなスペースが広がっています。直径30.0m。この中心部に一番強いパワーが集まるそうです。

真ん中で手を広げてみると、何かを感じるような、願いが叶うような、そんな気がしないでもありません。

周囲を囲むのは、ここで発掘された鰭付円筒埴輪と鰭付朝顔形埴輪のレプリカ。古墳が作られた当時もこんな感じで規則正しく並んでいたのでしょうか。

これだけの埴輪を作って並べるのも、淡路島から大量の石を運んで葺くのも、昔の人たちにとっては相当な時間とパワーが必要だったに違いありません。

『日本書記』にはここが仲哀天皇の偽の墓だという記事があるのですが、全てが丁寧に作られていることや、人が葬られる石室の石材が出てきていることから、現在は偽物とは考えられないとされています。

西側に目をやると、小壺古墳が見えました。芝生でおおわれたなだらかな丘のようなこの古墳は、五色塚古墳と同じ時代に作られたと考えられています。

古墳だと言われなかったら気づかないぐらい目立ちませんが、五色塚古墳に来たらぜひセットで見ておきましょう。

高さ18.8mの後円部からは先ほどの前方部よりもさらにワイドな風景が楽しめます。左手前は「マリンピア神戸」があり、明石海峡の奥には淡路島や明石海峡大橋も見えています。

この古墳に葬られた人は明石海峡とその周辺を支配した豪族と考えられていて、いかにも権力者にふさわしいスケールを感じる眺めですが、お墓に入ってしまうと見れないのがつらいところです。

左に見える四角い台座のようなものは縦横約20mで高さは1.5mほど。この斜面にも石が葺かれていて、そこから土師器や須恵器、埴輪などの破片が発見されたそう。

ちょうど前方後円墳の「くびれ」あたりにあるのですが、本来は東西の両方にあったものが現在はこのひとつだけになっています。

後円部からの階段を降りたあたりにある埴輪。魚のような鰭(ひれ)が付いていることから鰭付朝顔形埴輪(左)や鰭付円筒埴輪(右)と呼ばれていて、かつては2,200本も使われていたのだとか。

 

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神戸ジャーナル 編集部

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