兵庫県最大の古墳として知られる『五色塚古墳』。仁徳天皇陵と同じ前方後円墳で、神戸の小学生なら一度は訪れるであろう社会科見学のメッカでもあります。
考古学ファンからの人気はもちろん、最近は願いが叶うパワースポットとしての知名度も高まっているということで、現場チェックに行ってきました。
神戸市垂水区五色山4-1
五色塚古墳があるのは海を望む五色山の台地。JR神戸線 or 山陽電鉄の「垂水駅」を北側に出て、商大筋と呼ばれる南北の道を少し北上すると、「五色塚古墳」と書かれた看板が現れます。
まあまあキツめの細い坂道を上ると、住宅街が。本当にこんなところに古墳があるのかと不安になりますが、道路にこんなマークがあったのでそのまま真っ直ぐ進んでみます。
しばらく歩き続けると、左側の視界が開ました。大きめの駐車場です。そして、その向こうには何やらこんもりしたものが。アレですね、ヤツです。
というわけで、この駐車場の角を左に曲がります。狭い通りなので、徒歩の人も一旦停止してから左折するようにしましょう。
五色塚古墳といえば石を積み上げているイメージがありましたが、近くで見ると下の方が土や芝で覆われているのがよくわかります。手前はいわゆるお堀の部分で、かつては浅い堀と二重で古墳を囲んでいたそう。
入口は西側にあるので矢印の通り、右へ曲がって古墳沿いに進みましょう。
敷地内に入るのはこの入口から。入場は無料で9時から17時までの間、自由に見学できます。ただし、見学には管理事務所での入園手続きが必要。また、ペットの入園は不可となっています。
こちらは入ってすぐの場所にある管理事務所。見学には入園手続きが必要ですので、古墳に登る前に受付に行きましょう。基本的には名前を書くだけなので、手間も時間もそれほどかかりません。
管理事務所の中には無料のパンフレットのほか、五色塚古墳に関する書籍もあり、購入することができます。また、壁には古墳の周辺を空から撮影した写真もあったりして、見学する前からそれなりに楽しめます。
ほかにも古墳から出土した勾玉や、復元された埴輪などが展示されてました。なかにはタコツボとして使われていた土器なんかもあって、さすがは明石海峡という感じ。
埴輪と聞くと口を開けた人形のようなものをイメージしがちですが、筒状のものがあることをはじめて知りました。五色塚古墳が「千壺古墳」の別名を持つのは、その円筒埴輪が大量に出土したからなんだとか。
ちなみにそれらの埴輪は何種類かの形が計600本ほど発掘され、復元後は国の重要文化財に指定されています。
五色塚古墳は第二次世界大戦後の食糧難から畑として開墾され、今の姿からは想像できないくらい荒廃していました。そこで国と神戸市が協力し、昭和40年から10年の歳月をかけて発掘調査と復元工事が行われました。
その復元整備の完成記念として昭和50年に作られたのがこのモニュメント。前方後円墳の特徴である、鍵穴のような形であることがよくわかります。
全長194mの五色塚古墳は全国的には40番目ぐらいのサイズ感。なんとも微妙な順位ですが、同じ時期に作られた古墳の中では一二を争う大きさなので、かなり立派なのではないでしょうか。
神戸ジャーナル 編集部
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