神戸市内で活躍するクリエイターの情報を発信する『CREATORS LETTER』。
クリエイターと企業をつなぐウェブサイト「KOBE CREATORS NOTE」と連携して、デザイナーやディレクター・カメラマンなどさまざまなクリエイターの作品や活動への想いをご紹介していきます。
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STUDIO MATSUO 松尾 稔(まつお・みのる) カメラマン(写真・映像)
(株)STUDIO MATSUO代表。
1956年兵庫県高砂市生まれ。大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校・大阪)卒業。アシスタント等を経て、1985年フリーランスになりSTUDIO MATSUOを設立。2008年法人化し、現在に至る。
神戸を拠点に「コマーシャルフォト」を主な仕事として活動するかたわら、ライフワークとしてネイチャー系の写真を撮影。出版物には、詩を添えた写真集『春夏秋冬-まわりつづけるもの』等がある。
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「そこにカメラがあったから」などと、うそぶき格言めいた言われでもあればいいのですが、あらためて問われてみても、思いあたらず。そもそも「カメラマンになりたいと思ったきっかけは」と考えてみると、高校時代に遡りました。
そろそろ進学などのことも考えなければならない時期で、漠然と「警察官なんてかっこいいんじゃない?」と思っていたある頃、石立鉄男さんが主演のドラマにハマっていました。それは、石立さんがカメラマンの役で、自由気まま、能天気で、のほほんと生きている様を描いたもの。
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勉強なんて趣味ではないし、写真の専門学校なら、名前さえ書ければ受かるぞ。(写真学校の名誉のために言っておきますが、決してそんなことはなく、当時の私のただの妄想にすぎません)
写真家になれば、石立さんのように好き勝手自由気ままにやれるんだ、と思ったのが、カメラマンを目指すきっかけとなったようです。
結果的にそれがある意味、私の性格に完璧に一致していたようで、いまに至っても楽しくカメラマンをやらせてもらっています。
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昔から「自由気まま」っていうのが好きで、仕事の合間を縫っては、趣味で日本全国をバイクで駆け回ったり、山登りをしたり、すべての都道府県を3度以上は訪れています。
最初の就職先は、金沢。学校に求人募集が寄せられていて「雪国、ええなぁ。どっさり積もった雪がみたいなぁ」と、就職。
でも、瀬戸内の生ぬるい天国のような気候で育ってきた人間にとっては「雪国で暮らすのは、無理」と気づき、2年足らずで帰神。
それ以来、全国のたくさんの都会や田舎を「ここに住んだらどうだろう」「ここで仕事をすればどうなんだろう」という目でみてきて、最終的には、やっぱり神戸に戻ってきました。
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神戸は、人と人の距離感がとても心地いい。遠すぎず、時には、近すぎず、クライアントさんとも友達のようにプライベートでも遊べるし、お互いがメリハリを持てています。
もちろん誰しもが語るように、神戸には「海も山もありその距離が近い」「都会も田園もあり、都会の中でも泥くささや、洗練されたハイカラな部分」もあります。それも、また、楽しい。
妙に殺伐とした仕事オンリーの町、泥くさすぎる町、ズカズカとプライベートまで土足で押し入ってくる人々の住む町に暮らす気はなく。
神戸は本当にプライベートにおいても、ビジネスにおいても心地よいところです。
春夏秋冬-まわりつづけるもの
私の場合、これが代表作といったものはありません。ちょっとカッコいい言い方をすれば、すべてが私の代表作といえるのではないかと思います。
神戸という土地柄もあり、千差万別・多種多様な仕事が舞い込んできます。フードから宝石・スポーツ・建造物までのコマーシャルフォト・風景撮影・人物撮影・取材や学校アルバムのヘルプ撮影なども請け負ってきました。
「天皇陛下」に同行して撮影を行ったり「学生さん」の無邪気な笑顔を追っかけたり、田舎で「成人式の晴れ着姿」を撮ったり…あるいは「バレエ団の舞台写真」を撮ったりと。
どの写真も比べられるものではないのではないかと思ってしまいます。
一方、宝石やスイーツ・フード写真・建築写真など、未熟な初期のころの作品も、私にとってはそれぞれ大切な比べ難い1枚として残っています。
あえて、代表作というか「お気に入りの作品」をあげるとすれば、『春夏秋冬-まわりつづけるもの』という詩集であり写真集です。
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これは、「自由気ままにいきていたい」という私の生き方の一端、趣味である旅に出かけるたびに撮り溜めた自然の風景写真と詩を綴ったものです。
自然とのふれあい、人から受け取った人生観を対比して表現した、お気に入りの代表作といえるのかもしれません。
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もうこの歳になると「ガツガツと前に向かって走って行こう!」とか「ギャランティーにこだわりたい」などという欲は、もはや煩悩とさえ思えるようになっています。
登山でいえば、登頂を終えて、下山の3合目あたりに達した気分です。
カメラマンとして私が楽しい・面白いと感じてきたのは、いろんな人に出会えることと「カメラマン」でなければ見られないさまざまな物を見てこられたこと。
先に挙げた天皇陛下、著名人、政治家、スポーツ選手しかり、クライアントさんや仕事仲間、遊び仲間、中・高校生や幼児にいたるまで、この職業をやっていなければ、出会えなかったり、親交を深めることができなかった人々が、たくさん。
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全国各地をめぐり、人や自然と向き合い、被写体と向き合い。完成前の原発炉心の撮影もありました。水中での撮影、ガントリクレーン上からの撮影、街並みや人、動物の撮影。さまざまな視線からの撮影でもあります。
きっとカメラマン以外ではあまり経験される人はいないのではないでしょうか。
これからの活動とめざす世界は、特に人と自然や物とのふれあいを楽しみながらシャッターを切っていくこと。自分や人、自然の向こう側にある、さらなる何かを見つけていくことではないかとも思います。
STUDIO MATSUO 松尾 稔 カメラマン(写真・映像)
matsuominoru | Kobe Creators Note|神戸クリエイターズノート
神戸市内で活躍しているクリエイターと企業がつながる「KOBE CREATORS NOTE」。興味がある人は、ぜひ、サイトへ。
野球大好き野球少年がそのまま大人になった松尾、何故がバレー部に入部してきてムードメーカーに。繊細な感覚、目線でのカメラマンになられて感服です。
松尾とは付き合って半世紀だが若い時からボヘミアンな性格でした。いい仕事もしていて今も現役で頑張ってるな。また飲み会を楽しみにしています。
松尾さんと仕事をしていると、「一緒に創り上げていく」といった楽しい時間が流れていきます。やわらかくも鋭い、マトを射た感性には、いつも感服です。ありがとさんです。
いつも,さまざまな写真を拝見させ頂き私自身も色んな風景の中に旅行✈️がで来たり,美味しい物に出会えて、嬉しいです。これからも,色々な物を撮り続け下さい。