三宮から車で約30分、電車でも同じくらいの時間で到着。豊かな農村風景が広がる里山の環境が魅力の神戸市北区は、実は神戸市の9つの区の中でいちばん大きな面積を誇るエリアなのです。のどかな田園風景が財産の北区には、特産品のいちご、酒米・山田錦やチューリップなどの生花も作られています。また、その名は全国区の名湯・有馬温泉があるのも、ここ北区。
今回は、おいしいもの、自然、温泉と魅力たっぷりの神戸市北区の魅力的なカフェを神戸在住のライターいなだみほがご紹介します。
いなだみほ
ライター・コーディネーター
赤穂生まれ、赤穂郡上郡育ち、神戸暮らし。人に出会うことが好きです。誰かの大切な思いを文章にして、たくさんの方に伝えるお手伝いをしたいと思っています。お菓子、パンなどを中に雑誌、ガイドブック、ウェブなどで取材執筆。イベントの企画。ショップセレクトなどにも携わっています。著書「東京最高のパティスリー」(ぴあ)、MOOK「神戸のおいしいパン屋さん」、「神戸紅茶さんぽ」、「神戸土産の新定番」(共にグラフィス社)企画編集執筆。
CONTENTS
● ヌフ松森医院
● cafe kirim(カフェキリム)
● 念仏寺 茶房citta(ねんぶつじさぼうチッタ)
7月オープンのトライアルハウス《WEEK ヌフ》に、ワタナベフラーワーさんのクマちゃんが2週間滞在。#神戸に住むで #神戸へおいで #7区目 #北区
30年以上空き家になっていた元病院「松森医院」がリノベーションののち昭和レトロなスタンドカフェ&食堂として蘇りました。 450坪の広大な敷地には、今回オープンの1958年築の医院棟をはじめ、築100年の堂々たる構えの母屋(古民家)や蔵、庭園が…。
こだわりの建造物である病院棟、母屋を含めた全てを、2017年に現オーナーが保存・再生のために購入。地元関係者とともに「淡河松森医院跡みらい会議」を発足し、取り組みを進め、6月12日(土)にオープン。
また、7月より神戸市の【お試し住居】を開設し、里山に移住やビジネス等で、興味関心あるかたに、1泊1000円で体験宿泊して頂けます。
元診察室だった空間を利用した食堂。オープンにあたり、神戸のレトロ家具・雑貨のショップ「神戸トランヂスタ」がにフルコーディネート。
「昭和レトロ」をコンセプトに、かつての診察室は「淡河デパート食堂」(シェア食堂)として2つのキッチンでシェア。また、待合室だった場所も、「珈琲スタンド カセットテープ」として営業。
前使用されていた長椅子を張り替えて再利用するなどノスタルジックな雰囲気を演出した空間で、ソフトクリーム、クリームソーダの純喫茶メニューが楽しめます。
昭和なクリームソーダ。
店内のあちらこちらに、昭和レトロな小物もディスプレイ。
エントランスも昭和の時代を思い出させてくれる。
「田園風景が一面に広がるテラス席もあり、里山のゆったりと流れる時間に身を委ねたり、ペットと一緒にくつろぎタイムを過ごすこともできますよ」カセットテープ店主のアイコサン(上垣内愛子さん)。
「小さい頃、松森医院にお世話になった。懐かしい」というお客様も続々訪れていて、毎週末、元医院は元気なお客様で賑わっています!
テラス席は、本当にのどか。空気もごちそうです!
ヌフ松森医院
住所:神戸市北区淡河町野瀬492
TEL:080-6619-6527
休業日:月・火・水(祝日は営業)
珈琲スタンド カセットテープ 10:00~15:00、シェアスペース 淡河デパート食堂 10:00~15:00
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阪急六甲駅にほど近い場所にあったナチュラルな雰囲気で人気の「カフェキリム」が、2021年3月にお引越し。
新しい場所は、神戸市北区。近くには「イオンモール北神戸」や「三田アウトレット」などのショッピングが楽しめる施設もありつつ、のどかさも感じられる住宅街の一角にオープンしました。
店は住宅街の一角に。
店主松本喜久子さんの自宅リビング&キッチンをリノベーションした店内は、くつろぎムード満点!
ウッディで落ち着いた雰囲気の店内。
友達のお家に招かれたような気分に浸れるお家カフェで楽しめるのは、4種の変わり種いなり寿司が主役のワンプレートランチ「野菜と果物のおいなりさんプレート」。
ランチプレート 1400円は、季節のおいなりさん4種 、メインの肉料理、レモン味噌で食べる農家さんの焼き野菜 、オレンジドレッシングが爽やかなグリーンサラダ、スープ、ピクルスがセット。
甘辛く炊いた小ぶりのおあげの中には、メロンシロップ、リンゴ酢、シークワーサー果汁を混ぜた十六穀米の酢飯、そしてその上にフレッシュメロンやチェリーのコンポート、しょうがジャムなど、まるでデザートのような素材をトッピングしたいなり寿司は、米とフルーツ、野菜の意外な組み合わせが楽しく、おいしい。
そんな変わり種いなり寿司を取り囲むように、メインディッシュ、焼き野菜、ピクルス、スープなどが大きなプレートの上にモリモリと!どの料理もそれぞれに、契約農家さんから、収穫したばかりの新鮮な葉野菜がいっぱい。「寒暖差のある北区で育った野菜は味が濃いんですよ」と松本さん。ストロベリースピナッチ、中国レタス・ユーマイテン、スベリヒユといった珍しいものも使われていて、「これはどんな味かな?」と楽しみながらいただけるのもまた楽しい。
食後のデザートには、バナナケーキやパフェもおすすめ。近隣でショッピングの前後に、くつろぎのお家カフェでランチやスイーツを楽しみませんか。
別腹デザートに!バナナケーキ 450円。
暑い季節に人気のカフェオレかき氷はふわしゃり食感。700円。
飴細工の王冠が飾られた緑茶とメロンパフェ1000円。
華奢なグラスもかわいい、フルーツポンチ 600円(アイス付+100円)。
cafe kirim(カフェキリム)
2021年3月移転OPEN
住所:神戸市北区上津台3-19-45
TEL:090-3355-1885
営業時間:11:00~17:00(~16:00LO)
定休日:金・土曜
P3台
今さらですが、有馬温泉って、神戸市にあるのです! 全国的に名高い名湯有馬温泉は、神戸の中でも別格のポジションにあって確立されているので、有馬温泉の住所が「神戸市北区」って聞くと、改めて、「ああ、神戸にはこんな素晴らしい財産を持っているのだな」と実感せずにはいられません。
と言いつつ、今回は温泉ではなくカレーのご紹介です。しかもお寺が営むカフェのカレー。お寺がカフェ?、お寺でカレー?と不思議な気持ちにもなるのですが、このカレーがもう絶品!というのだから訪れずにはいられません。 噂のカレーがいただける「茶房チッタ」は、有馬温泉の中心にある念仏寺の中にあります。
豊臣秀吉の正室ねねの別荘があった場所に佇む念仏寺。
念仏寺は、有馬では一番古いと言われています。その歴史は約300年を誇り、その様子は建物のそこかしこに残されています。時代とともに変わっていく有馬の街の中にあって、念仏寺の界隈は少し空気も違っているよう、静かなサンクチュアリといった感じでしょうか。訪れる人の心も浄化してくれるような澄んだ空気に満ちています。御本尊は阿弥陀様。やさしい眼差しの慈悲溢れる仏様です。
また、念仏寺の庭は、古くから「沙羅樹園」と呼ばれ、樹齢300年と言われている類を見ない大樹には、毎年6月純白の花を咲かせます。苔むした庭一面に点々と落下した白い花がちりばめた様は、「寂光土の佇まい」と言われるほど。この庭を眺めるために、毎年お参りをする方もいらっしゃるそうです。
「茶房チッタ」は、先代が「若い方にも宗教、仏教に興味を持ってもらいたい」とはじめたカフェ。
沙羅双樹の花と印相が描かれた暖簾。「この印相(仏様の手の形)は、煩悩を軽減する形と言われています。暖簾を潜ると苦痛を取り除くことができますよ」と順子さん。
本堂の隣の3部屋をカフェとして解放しています。テーブルは庭が眺められるようなレイアウトに。
2019年6月のオープン以来、じわじわと人気を集めるドライカレーが名物メニューになっています。
ドライカレーは単品1000円、ピクルス、デザート、コーヒーがセットになって1500円。1日10食限定、予約がベター。
「元々は義母が檀家さんから教えてもらったカレーなんです。挽き肉、野菜、フルーツとカレーパウダーを水を使わず白ワインでグツグツ5~6時間煮込んで作るんですよ」と話してくださったのは、前住職の奥様永岡順子さん。スパイシーな香りと辛味、そして野菜やフルーツの甘みがほどよくブレンドされて、くせになりそうな味わいです。
そんなカレーを堪能した後は、コーヒーをいただきながら庭を眺めたり、写経、写仏を体験するのも一案です。
ホットコーヒーはおかわりもできます。
「ここでしか見聞きできないことを経験していただけたら…」と順子さん。順子さんの有馬温泉やお寺の歴史、仏教の話など、奥の深い話にいつの間にか引き込まれ…。帰る頃には心の中に渦巻いていた煩悩がスーッと消えているかもしれません。
樹齢300年の沙羅双樹の花の見頃は6月半ば~7月上旬。
カレーを待つ間や食後など、お縁で庭を眺めませんか。
オリジナルポストカードは1枚100円。
写経、写仏は各2000円。終了後、お抹茶付き2500円。
念仏寺 茶房citta(ねんぶつじさぼうチッタ)
2019年6月オープン
住所:神戸市北区有馬町1641
TEL:078-904-0414
営業時間:9:00~17:00
定休日:木曜
国道38号線が淡河川を横切る万代橋のたもとに淡河八幡神社の入り口となる鳥居があります。 「伝承では、宝亀10年(779)6月表筒男命を祀り、仁平年間(1151~54)に安閑天皇、貞応2年(1223)に鶴岡八幡宮から応神天皇の分霊をうけて奉祀し、以後八幡宮と称しています。旧淡河庄16村の鎮守社で明治7年郷社に。毎年2月に行われる御弓神事では、氏子となっている近隣地域から二十歳前後の弓の射手が4人選ばれ、「鬼」と書かれた巨大な的に向かって矢を放ち、厄を払い、五穀豊穣を願います。そんな地域の伝統行事も弓矢にまつわることもあってから、境内には淡河弓道場なるものも。会員の方々がお稽古している姿を、参拝途中に見ることもあります。
また、来年、「淡河八幡神社」は御鎮座800年。記念行事の一つとして、2022年3月に近くの淡河公園にて弓道遠的大会も開催予定。参加者は、遥か60メートル向こうに設置された直径100センチの大的に向かって、的中を競う様子は見応えがありそうです。
淡河八幡神社
住所:神戸市北区淡河町35
TEL:078-959-0436
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