神戸のクリエイターへインタビュー『これからもずっと“デザイナー”で在り続けるために』 ユキ マツシマ ~CREATORS LETTER~

神戸市内で活躍するクリエイターの情報を発信する『CREATORS LETTER』。

クリエイターと企業をつなぐウェブサイト「KOBE CREATORS NOTE」と連携して、デザイナーやディレクター・カメラマンなどさまざまなクリエイターの作品や活動への想いをご紹介していきます。

ユキ マツシマ  デザイナー 

1982年 神戸市東灘区岡本生まれ、西区在住。2004年 神戸芸術工科大学プロダクトデザイン学科卒業。

玩具メーカーのデザイン事務所で、ベビー幼児向けの「トイ」や「パッケージデザイン」を経て、月刊10万部のフリーペーパーの企画・取材・撮影・編集の制作部署や和洋菓子企業の企画部で商品・販促デザインを担当してきました。

現在はアパレル企業の子供服デザイナーとして活動中です。

なんとも飽き性なことがバレバレの経歴ですが、唯一の一貫性は何かを作り上げる「デザイナー」で在り続けてきたことです。

デザイナーという「自分」にだけは、まったく飽きることがなかったです。

18年間、複数の業種で「デザイナー」として活動し続けてきたことが、様々な角度から表現できるデザイナーになれているんじゃないかなと、ちょっとだけ自負しています。

最近の好きなことは「プランツ巡り」です。

私にそっくりな2人の娘と主人と、綿あめみたいなネコとの5人家族で、神戸の街で暮らしています。

「遊び心のあるデザイン」がモットーです!

なぜ、「デザイナー」をやっているのか?

小学生のころからデザイナーになりたかったのですが、絵はとても下手でした。

自分に自信がなかったですね、今でも変わらず。そんな私の人生の中で、時折「掛けられた言葉たち」のおかげでデザインするということをここまで続けてこられたと思います。

きっとその言葉を伝えてくれた人たちは、お世辞だったり何気なく放った言葉だったのかもしれません。

それを疑わずそのままバカみたいに素直に信じてこれまでやってきました。

一番私に自信をくれた言葉は、「味のある絵だね、まっつんの描く絵は」というデザイナーの先輩からの言葉でした。

絵が下手だから上手くなりたいとずっと思っていた自分に「そのままでいいよ」と許してもらえた感覚がありました。

「絵が描けないと決めつけていたのは、自分自身だったんだ」と、その時すっと心が軽くなったような気がしました。

そこから自分の感覚を信じてカタチにすればきっと共感してもらえると、本当の意味での自由なデザインを掴めてきたと思いました。

デザインをすることが前よりもっと好きになりました。

神戸で活動する理由

何事も考えすぎる性格は、時々周りまで見えくなって心がモヤモヤします。そんな時、家族と舞子や垂水の海へ出かけます。

明石海峡大橋や淡路島の見える広い風景と波の音が穏やかな気持ちにしてくれます。

「仕事」と「子育て」で頭がいっぱいになる時は、西区や北区にある山など自然のある場所へ出かけたり、2国や175号線沿いをドライブして素敵なお店やカフェを探したりします。

遅くまで仕事をした帰りは、家族には少し罪悪感を感じながらも寄り道をしてメリケンパークからハーバーを歩きます。

ポートタワーやumieの夜景が、一日中PCと向かい合って疲れた目や頭に優しい光を見せてくれます。

春の電車から見る桜も、夏の三宮のビルから見る夕焼けも、秋の元町駅に吹く風も、冬のルミナリエもずーっと今年もこの季節が来たね~と感じながら過ごせたら幸せだと思います。

天気の良い日に、三宮から大阪に向かう車窓からの景色も本当に大好きです。

ずっと生きてきた「神戸」で、これからも暮らしていくことがごく自然なことでしたので、神戸で結婚し、家族ができ、現在も神戸で活動しています。

神戸で暮らし続けたいからここで活動しているとも言えるのかもしれません。

代表的な作品と想い

テキスタイルパターンは「差別化」と「自己表現」を兼ね備えているものだと私は思います。

企業デザイナーでいると「差別化」という言葉を耳が痛いほどよく聞きますが、一方で「個性」を出しすぎるとたちまち伝わりにくいものになってしまいます。

「差別化を図りながらも万人に伝わりやすいブランドに応じたデザイン」が求められます。

その中でも「テキスタイル」は、個性を「消す」より「生かす」ことで、どこにもない唯一のデザインが叶うものでした。

それは企業デザイナーには数少ない自己表現ができる場面でした。

そこで実績を積むことで、テキスタイルに限らず「私が創る個性を活かしたデザイン」を要望していただけることにも繋がっていきました。

テキスタイルの仕事を経験するまでは、「立体物」や「紙物」のデザインをしてきたので、生地にプリントするという表現の経験はありませんでした。

生地自体に凹凸があったり風合いがあるので、素材感を加味したデザインというものを教わりました。

仕上がりをイメージしながら絵を描くということは経験を積み重ねることでしか感覚が掴めないので、とにかく描いて試して反省してまた別の方法で描いて試しての繰り返しでした。

今でもまだまだ修業の身ですが、私のものづくりに広がりを与えてくれた大事な存在です。

これからの活動と目指す世界

デザイナー人生で、今の自分が1番面白いと感じるようになってきました。

子どもが小さい頃はどうしても「仕事」と「子育て」との両立で思うようにできないことが多く、もどかしい日々がありました。

その2人娘も今14歳と7歳になり、デザインのアドバイスもくれるようなたくましい女の子に育ってくれています。

家族の支えの中で、デザイナーを続けてこられたのだと思います。

今は私のデザインに共感してもらえる仲間も増え、周りの方たちに認めてもらうことが自信へ繋がっていくと改めて実感できています。
これまでの経験を糧に、神戸の街に自分の作品が彩られる日が来ることが大きな夢です。

今後さらに活躍できるデザイナーになるために自分の世界を広げていきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

ユキ マツシマ  デザイナー 
matsushima|神戸クリエイターズノート


神戸市内で活躍しているクリエイターと企業がつながる「KOBE CREATORS NOTE」。興味がある人は、ぜひ、サイトへ。

 

この記事を書いた人

このみ

花や夕焼け空を眺める時間が好きです。

ライター一覧

コメントを残す

日本語が含まれないコメントは無視されます。コメントは承認後に表示されます。良識のあるコメントを心がけ、攻撃的な表現や他人が傷つく発言は承認されません。