Ⓒ(一財)神戸観光局
酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」。全国の生産量の約6割を占める兵庫県産は、品質の高さでも知られています。さらなるブランド力の強化と付加価値向上のため、「兵庫県産山田錦」の日本農業遺産認定を目指す「協議会」が設立されました。
生産量の約6割を占める高品質な「兵庫県産」
画像:農林水産省資料より
北は日本海、南は瀬戸内海に面する兵庫県では、さまざまな農林水産物が生産されてます。
よく知られているのが淡路島の「たまねぎ」「レタス」、但馬地域の「但馬牛」「ずわいがに」、瀬戸内海の「養殖のり」など。
酒米「山田錦」は兵庫県生まれの品種で、1936年(昭和11年)に命名されました。
山田錦を使用して造られた日本酒は香味が良く、きめの細かいまろやかさを持った「コク」のある味わいになるそうです。
兵庫県は極上の酒米づくりの条件にあった地域が多いそうで、県南東部の神戸市北区/三田市/三木市/加東市/小野市/加西市/西脇市/多可町で生産されています。
栽培地は全国各地に広がっていますが、兵庫県産は高品質で、上位等級の比率は他県を大きく上回るんだとか。
持続可能な「山田錦」生産・産地目指す
そんな「兵庫県産山田錦」のブランド力を強化するため、5月に設立されたのが「兵庫県山田錦主産地農業遺産推進協議会」です。
協議会には県・JA・産地市町などが参加。伝統的な農林水産業や農村文化を保護するために農林水産省が創設した「日本農業遺産」の認定を目指しています。
認定によってブランド力を高め、付加価値アップを狙っているんだそう。
県の日本農業遺産はこれまでに、美方地域の「伝統的但馬牛飼育システム」、丹波篠山地域の「丹波篠山の黒大豆栽培」などが認定されてます。
北播磨県民局の2024年度主要事業では、北播磨の強みを活かした農・食の創出の一環として、「山田錦」の日本農業遺産認定に向けた取り組みのほか、経営基盤の強化支援や地域計画に携わるなどして、持続可能な山田錦生産・産地を目指しているそうです。
画像:山田錦日和 公式Facebookより
5月に行われた設立総会には、西脇/三木/小野/加西/加東/多可の北播各市町と、神戸市/三田市/猪名川町、JAみのり、JA兵庫みらいなど34機関の代表が参加。
今後は認定済み地域への研究視察をしたり、各市町での山田錦イベントにブースを出展したりといった活動で盛り上げていくみたいです。
年末にかけて1次・2次審査があり、来年1月に認定の可否が決まるそうです。
酒米に限定した日本農業遺産の申請は初めてなんだそうです。認定されれば「兵庫県産山田錦」がさらに人気になりそうですね。今年4月には「兵庫県産山田錦」公式サイトもオープンしていて、山田錦の歴史や気候風土、生産者たちの努力など、山田錦について知ることができますよ。
◆関連リンク
・兵庫県産山田錦 – 公式サイト
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
ライター一覧