神戸の名物グルメのひとつ「豚まん」。
街には名店が点在し、テイクアウトにお土産に、そして子どもから大人まで万人に愛されています。
小腹がすいたとき、気軽に食べられるのもいいですよね!
今回は神戸にあるたくさんのお店の中から、地元の人々に長年愛される人気の3店を紹介していきます。
まずはじめに紹介するのは、元祖豚まんの「老祥記(ろうしょうき)」。
ここは大正4年(1915)年、日本で初めて豚まんを売り出した老舗中の老舗です。
中国・天津地方の天津包子(テンチンパオツー)と呼ばれる饅頭を、日本人に馴染む味・名称に改良した結果、現在の「豚饅頭(ぶたまんじゅう)」が生み出されたそうです。
中華街・南京町広場に店を構える「老祥記」
神戸で知らない人はいない超人気店。
南京町広場のお店には、豚まんを買い求める人たちの行列が毎日のようにできています。しかし、店員さんが大変手際よく販売されているため、意外と早く買えることが多いです。
待ってでも買いたい!と思える、他とは違う唯一無二の豚まんがここにはあります。
大きなせいろで蒸し上がった、あつあつの豚まん
老祥記の豚まんは、小ぶりなサイズながら、手にとるとズッシリと餡の重みを感じます。
一口かじると、まず驚くのがもっちりと弾力のある皮。創業者が故郷・上海から持ち込んだという麹が、生地に独特の食感を与えているようです。
そして餡は肉々しくて、とてもジューシー!肉汁があふれ出てくるので、こぼさないように注意が必要なほどです。
旨味が凝縮された、唯一無二の豚まん
小ぶりなので、3個くらいはペロリといけちゃいます。
また大量注文も受け付けていて、30個、さらには50個もの数を注文している人を見かけます。
老祥記(ろうしょうき)
住所 神戸市中央区元町通2丁目1-14
アクセス JR・阪神「元町駅」徒歩約5分
公式サイト https://roushouki.com/
つづいては、JR元町駅西口からすぐの場所にある「四興樓(しこうろう)」。
70年以上の歴史ある中華料理店、その名物豚まんを紹介します。
元町駅前、赤と緑の看板が鮮やかな「四興樓」
店内でのイートインはもちろん、テイクアウトにも入り口で対応してくれます。
伝統を受け継いで一つひとつ丁寧に作られる豚まん
こちらは、しっかり食べごたえのある大ぶりサイズの豚まん。生地は少し厚めで、ほどよくモチモチに仕上がっています。
蒸したてのほかほか豚まんをテイクアウトできる
そして豚まんを割ってみると、肉餡がたっぷり!
肉本来のおいしさを楽しめるようにと、粗めのみじん切りに、醤油ベースのあっさり仕上げ。素材の味がしっかりと伝わってくる正統派の豚まんです。
お客様が三代、四代と世代を越えて通ってこられるというのも、納得です。
ボリュームたっぷりの肉餡からは肉汁があふれてくる
お店の方に食べ方をうかがうと「からし+ウスターソース」をつけて食べるのも人気なんだとか。工夫次第で色々な味わいが楽しめそうですね。
テイクアウト用の緑箱 通販も可能で問い合わせは全国から増えているそう
四興樓(しこうろう)
住所 神戸市中央区元町通2丁目9-1 元町プラザビル1F
アクセス JR・阪神「元町駅」徒歩約1分
公式サイト https://shikohroh.com/index.html
3つ目は、昭和29年創業の老舗「三宮一貫樓(さんのみや いっかんろう)」。
こちらの本店は元町駅からすぐの立地、三宮センター街の西側入口にあります。
元町駅からすぐの「三宮一貫樓 本店」
お店の1階はガラス張りの工房になっていて、実演も楽しめます。コネコネと作業されている様子が窓から見えるので、ついつい見入ってしまいます。
こちらは、たまねぎの甘味をしっかりと感じとれる豚まんです。
素材にこだわった豚肉とたまねぎをメインにした餡は、互いを引き立て、とてもジューシーで旨味とコクがあります。
皮にもほんのり甘みがあり、食感はふかふかでありながら、モチモチ仕上げ。頬張ったときの一体感がたまりません。
生地のやさしい口あたりと温かみのある具の味わいを大切に、創業当時から一貫して手作りにこだわり続け、1日約8,000個もの豚まんを一つひとつ丁寧に包んでおられるそうです。
「三宮一貫樓 本店」の2階
「三宮一貫樓 本店」の2階は、ゆったりとしたレストランになっていて、麺類やご飯類、 豚まんや点心などを味わうことができます。
なお三宮一貫樓の店舗は、神戸を中心に計8店舗あります。三宮や新神戸、空港などさまざまな場所で手に入るのも嬉しいですね。
テイクアウトをすると、豚イラストのかわいい箱に入れてくれました。
持ち帰って食べてもおいしさは変わりません!お土産にもぴったりですね。
三宮一貫樓 本店(さんのみやいっかんろう ほんてん)
住所 神戸市中央区三宮町3丁目9-9
アクセス JR・阪神「元町駅」徒歩約2分
公式サイト https://www.ikkanrou.co.jp/
みなさんは、毎年11月11日の「豚饅の日」を中心に開催されている『KOBE 豚饅サミット®』というイベントをご存じでしょうか?
こちらは今回ご紹介した老舗3店舗が発起人となり、神戸名物・豚まんのおいしさを広く発信することで、日本の元気を神戸からつくりだそう!と、2011年からスタートしたプロジェクトです。
2022年イベント開催時の写真 右は公式キャラクターの「つつむん」
2022年イベント開催時の写真 南京町広場を中心に大勢の人が訪れた
このサミットには、神戸の有名店のほか、横浜や長崎の中華街などから多くのお店が揃うほか、神戸のパン屋さんや学生たちも参加していて、サミット限定のオリジナル豚まん販売などで賑わっています。
中でも「老祥記」は、フレンチやイタリアンなどジャンルを問わず神戸の老舗店とコラボ商品を毎年開発していて、来場者をアッと驚かせています。
豚まんポーズで写真におさまるサミット発起人3店の方々
左から四興樓 葉 少青さん・老祥記 曹 英生さん・三宮一貫樓 安藤 孝志さん
発起人の方々に、このサミットへの想いをうかがうと、“美味しさを真ん中に、楽しくて笑顔になれる。そんな幸せな気持ちになれるイベントにしていきたい”とのこと。
そして今後、“豚まんを万人が認める「神戸のソウルフード」にしていきたい!”と、未来へ向けて熱いコメントをいただきました。
「KOBE 豚饅サミット®」についてはこちら
みなさん、神戸に来た際は、ぜひ個性派ぞろいの豚まんたちを食べ比べてみてください。
この豚まんたちには、作り手のあたたかで、アツい想いがつまっています。
【取材・文】川崎 哲章
神戸在住のPR ディレクター&ライター。洗練された都会のイメージがありながら、自然を身近に感じられる街・神戸の魅力をもっと多くの方に届けていきたい。そんな想いで観光やグルメ、そして関わる人々を取材。灘区の六甲山にも海にもすぐ行ける場所に住み、カメラ片手にいろんな場所へ出かけています。
神戸公式観光サイト Feel KOBE
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春陽軒の豚まんが皮と餡がしっかりしてて好きだな