学校の給食。食べたことがある人なら、なんだかちょっと懐かしい気持ちになりますよね。
「ついこの間まで食べてた気がする」「もう何十年前かわからない…」など、いろいろな人がいるかと思います。
その中でも神戸の小学校に通っていた「神戸っ子」なら、『とくれん』といえば「あーー懐かしい!」となりませんか?
休んだ子の分をジャンケンで取り合い、ペラペラの紙スプーンで食べる、ちょっとシャリっとしたみかん味のあのゼリー。
飲食店で見つけて、テンションが上がっている「元・神戸っ子」もたまに見かけます。
「とくれん」という呼び名で馴染みがありますが、実は正式名称は『プデナーオレンジ80』っていうんです。知ってましたか?
「昔からあるけど”とくれん”ってどんな感じやったっけ?」
「え、今も給食に出てるよね?」
「久しぶりに食べたいな…」
今回は、編集部内でもさまざまな声が上がった『とくれん』について徹底調査すべく、現在の製造元「浅井缶詰」さんと「神戸市教育委員会」に『とくれん』について教えてもらいました。
さらに、神戸ジャーナルの公式Instagramで「給食デザート」についてのアンケートを実施。
みんな大好き『とくれん』の今・昔について掘り下げていきたいと思います!
読んだら最後、あのシャリっと爽やかなオレンジ味が食べたくなること間違いなしですよ。
Index
神戸っ子ならみんな大好き「とくれん」って?
・給食で大人気の「オレンジゼリー」
・「とくれん」今と昔じゃココが違う!
・実は他の味もあるんです
今の給食でも「とくれん」って出てるよね?
・献立に含まれる頻度は?
・今の給食デザートラインナップ
・懐かしい!どんな給食デザートが好きだった?
大人になっても「とくれん」が好き!食べ比べ企画
・最近食べた?やっぱり半シャリが好き!?
・冷凍状態はカチカチかと思いきや?
・ひんやり&ぷるぷる!半シャリ状態
・ゼリーというよりほぼジュース!完全に解凍してみた
まとめ
神戸っ子ならみんな大好き「とくれん」って?
給食で大人気のオレンジゼリー
『とくれん』は、1974年10月に神戸市の学校給食に初登場したオレンジ味のゼリーです。
徳島県勝浦郡勝浦町というところで収穫されたみかんの果汁を普及させるために、「徳島県加工農業協同組合連合会」と神戸の食品卸会社によって、共同で「給食向けデザート」として開発されました。
同連合会の略称から『とくれん』という名前で呼ばれるように。
22~23年前からは、「浅井缶詰株式会社」という会社が製造を引き継いでいます。
冒頭でもお伝えしたように、正式名称は「プデナーオレンジ80」。知っている人はかなり少ないんじゃないでしょうか。
名前の由来は「プリン」のような「デザート」で、果汁を「80%」使用しているところからきているんだとか。
『とくれん』の特徴といえば、あのシャリっとした食感。
「果汁80%」というフレッシュ感を維持するために、常温ではなく冷凍で出荷しているそうです。
各校に冷凍状態で納品され、その日の気温によって「そのまま」or「冷蔵庫で保存」して提供されます。
ちなみに浅井缶詰さんによると、室温にもよりますが『20℃前後で10~15分』解凍するのがおすすめなんだそうですよ。
「とくれん」今と昔じゃココが違う!
発売当時の「とくれん」のパッケージ(製造は浅井缶詰)
初登場から50年近く、神戸っ子に愛され続けている『とくれん』。
今や「とくれん」ではないのですが、あまりにもその呼び名が定着してしまったため、現在も「とくれん」という文字がパッケージに残っているそうです。
発売当初は「みかん×マンダリンオレンジ」のブレンド果汁が使用されていましたが、現在は国内産「温州みかん」の果汁だけが使用されています。
現在の「とくれん」のパッケージ
こちらが現在の「とくれん」。細かな表示は変わっているものの、基本的な仕様・デザイン面はそのままなことが分かります。
ちなみに開発当時は「プラスチックカップ」でしたが、現在は「紙カップ」に変わっているそうです。
実は他の味もあるんです
『とくれん』には、実はオレンジのほかにも色んな味があるのを知っていましたか?
現在発売されているのは、オレンジ・巨峰・アップル・白桃・パイナップルの5種類。
昔はなんと「いちご味」もあったんだとか。現在は残念ながら製造されていないそうです。き、気になる…
オレンジ味の発売とほぼ同時期に「アップル」が登場。
巨峰・白桃・パイナップルは、浅井缶詰さんが製造を引き継いで1~2年後に増やしたそうです。
確かに、「オレンジ・アップル」と「巨峰・白桃・パイナップル」ではパッケージのデザインがそれぞれ似ていますね。
オレンジ以外のフレーバーも給食で提供されているようですが、やはり「オレンジ」がダントツの知名度&人気度。
その他フレーバーが果汁50%/60gに対し、オレンジだけ果汁80%/70gとのことで、「ちょっと多めに食べられて嬉しい!」なんていう理由もあるのかもしれませんね。
今の給食でも「とくれん」って出てるよね?
献立に含まれる頻度は?
昔とくれんが好きだった神戸っ子の皆さんなら、「今の小学生もとくれん食べてるん?」っていうの気になりませんか?
そこで、神戸市教育委員会に最新の『給食デザート事情』を聞いてみました。
『とくれん』が提供されはじめた1975年ごろは、調理が必要なおかずが「1品」であることが多く、エネルギー確保のために「デザート類」は今よりも頻繁に提供されていました。
最近の給食では、「デザートそのもの」の提供回数は月平均「2.8回」。
『とくれん』の提供は、当時はデザートの種類が少なかったため「年9~10回」程度でしたが、現在は年1回「3月の卒業進級お祝い献立のデザート」として提供されているそうです。
「お祝いデザート」に『とくれん』が選ばれているあたり、さすが神戸といったところ。
画像:神戸市教育委員会より
1975年ごろ、「とくれん」が提供される日の献立を再現したものがこちら。
【パン・牛乳・マーガリン・鯨肉のノルウェー風・フルーツゼリー】という内容です。
画像:神戸市教育委員会より
今年3月、卒業お祝いで「とくれん」が提供されたときの献立がこちら。
【にんじんパン・牛乳・フライドチキン・だいずのポタージュ・みかんゼリー】という内容になっています。
食器や牛乳パッケージの変化にも、「あー懐かしい!」という声が聞こえてきそうです。
これまた懐かしい”献立表”には、昔は「フルーツゼリー」、今は「みかんゼリー」と表記されています。
「とくれん」と書かれていたことはなんと一度もないんです。
なぜ神戸市周辺でだけ「とくれん」という呼び名が浸透したのか、真相は闇の中…
今の給食デザートラインナップ
時代背景にあわせて給食事情も変化していますが、「1975年」と「2022年」を比べてデザートのバリエーションがどんな風に変化したのかも聞いてみました。
【1975年当時】
フルーツゼリー(とくれん)/プリン/バブルフルーツ/アイスクリーム/ヨーグルト/果物各種【2022年現在】
みかんゼリー(とくれん)/神戸ぶどうゼリー/いちごゼリー/いちじくゼリー/グレープゼリー/アップルゼリー/りんごゼリー/ブルーベリーゼリー/ミニゼリー(アセロラ・洋なし・ピーチ)/ヨーグルト/アイスクリーム/あんにんどうふ/フルーツカクテル/節分豆/ひなあられ/花見だんご/かしわもち/月見だんご/わらびもち/果物各種(ぶどう・みかん・ぽんかん・りんご・かき)
「とくれん」が初めて給食に登場した当時、デザートは約6種類。
現在は、昔では考えられないぐらい色んなジャンルのデザートが提供されているんですね。
「ひなあられ」「かしわもち」「月見だんご」など季節に合わせたデザートなんかも提供されています。
『とくれん』は年1回のスペシャルデザートになっているというのは、大人になった神戸っ子には驚きかもしれません。
懐かしい!どんな給食デザートが好きだった?
今の「給食デザート事情」が分かってくると、子どものころの給食デザート事情も気になってきます。
そこで、公式Instagramでの読者アンケートで「とくれん以外に好きだった給食デザートは何ですか?」と質問してみました!
予想以上にたくさんの回答をいただいたので、一部を抜粋して紹介させていただきます。
・アセロラゼリー
・冷凍みかん
・アイスクリーム
・フルーツポンチ
・チーズケーキ など【番外編】
・動物型のチーズ
・ミルメーク
「アセロラゼリー」と「冷凍みかん」が2大人気という結果に。
「みかん」が好きなのは神戸市民なのか、小学生だからなのか…?
番外編としては、動物の型に入ったちょっぴり硬い「プロセスチーズ」や、牛乳パックにいれる粉「ミルメーク」など、ついつい『あったな~』と唸ってしまう名前がずらり。
アンケートにご回答いただいた皆さん、改めてありがとうございました!!
神戸生まれ神戸育ちですが知らなかったです。給食でゼリーが出でたのは何となく覚えてますが…
懐かしー
大好きだった。
六甲牧場はいつの間にか廃業してたんですね。
懐かしいなぁ~
『とくれん』&『くじら肉のノルエー風』
もう一度食べたいな
『くじら肉のノルエー風』を
『とくれん』&『くじら肉のノルエー風』の日は
熱が有ろうと 頭が痛かろうとて
『給食当たりの日だ!!』と頑張って行きました(((*≧艸≦)ププッ
とくれん、そんなにレア物になってたのか…
月に2回くらい出てたイメージ
プラスチックのカップ溜め込んでた奴いたなぁ
バブルフルーツ、今もあるのでしょうか?