真冬に神戸を堪能するなら、スノボー、温泉、チョコレート。〜前編〜　　Feel KOBE

もうそろそろ、たっぷり満足できる旅行がしたい。

朝から晩まで遊び尽くして、気持ちの良い“クタクタ”を抱えた心と身体をふっかふかの布団にダイブさせる。未曾有のウイルスに掻き乱される生活がはじまってから、もう2年以上になります。慣れたつもりでいても、ずるずると長引く行動制限のストレスは、静かに心を蝕むもの。日照時間が短く、出不精になりがちな冬なら尚更。

───だからこそ。 しっかり身体を動かして汗をかき、活力を呼び戻してから、美味しい料理と温泉、洋菓子で満たされる神戸旅を提案したいと思いました。今日も神戸には、「人を元気づけたい」「世の中を少しでも明るくしたい」という思いで店頭に立ってくださっている人たちが、本当にたくさんいます。

感染対策をしっかり行い、体調と相談をしたうえで、真冬の神戸を楽しみ尽くしてもらえたら。そんな思いで考えた2泊3日のモデルコースを、前編と後編に分けて紹介します。

まずはじめに……皆さん、神戸にゲレンデがあるって知っていましたか？ 関西在住の人たちでさえ、神戸でスノボー（スキー）経験がある人はあまり多くないと思います。どうしても、王道といえば温泉や夜景のイメージが強いのでしょう。

けれど今回の旅は、「身体を動かしてリフレッシュすること」も外せない要素のひとつ。それなら神戸で50年以上の歴史を持つ、『六甲山スノーパーク（旧名：六甲山人工スキー場）』は欠かせません。実はここ、日本で初めてオープンした人工雪のスキー場なんです。

レンタルウェアのデザイン・サイズ展開（身長90cm〜）もかなり充実していました。
ウォークイン式になっているので、自分で好きなものを選べるのも嬉しい！

三宮から車で約35分、電車で約1時間と街からのアクセスも良好！必要なものはレンタルできるので、街歩きの格好のまま手ぶらで遊びに来れますよ。ニット帽とゴーグルだけは、売店での購入になってしまうので気をつけて。

レンタル料金の詳細については、こちらからご確認ください。

ニット帽のみ私物。他はすべて六甲山スノーパークからレンタルしたものです

ゲレンデは、初心者用と中級者用の2つに分かれています。パーク自体が山頂にあるので、着替えてからリフトに乗る必要もなし。すぐに滑り始められるのも◎。中級者用コースでもそこまで長距離・急斜面ではないので、初めてスノボーに挑戦する人にもオススメです。

何時間もかけて朝早くから雪山に向かい、1日中滑っていると、次の日は疲労困憊＆筋肉痛になってしまいますよね（笑）。このくらいサクッと行けて、サクッと滑れるからこそ、次の日も遊び尽くしたい人にベストな遊び場。

写真はすべて、初級者用のゲレンデです

午前中から滑り始めて、お腹が空いてきたらパーク内にあるレストラン『アルペンローゼ』へ。ここ六甲山スノーパークの名物といえば、『六甲山山盛りローストビーフ丼』！ たっぷりの白米に覆い被さる肉厚のローストビーフは、噛むとじゅわっと肉汁が広がるくらい柔らかいのに、こってりしすぎていないから、このボリュームでもバクバクいけちゃいます。

自家製のオニオンソースと、ゲレンデに見立てたまろやかなヨーグルトソースがお米にもよく絡む。温泉卵もついてくるので、お好みのタイミングでトッピングしてクリーミーさを増量させても◎。お米は400g、総量600gの超大盛りだけど、運動後だから0カロリーってことにしません？

このローストビーフ丼を食べたいが故に、スノーパークに来るファンたちもいるそうです。一度食べたらその気持ち、わかります。病みつきになること間違いなし。

ゲレンデで身体を動かしたあとは、ちょっと休憩。

六甲山スノーパークから徒歩で約10分登った先にある、『自然体感展望台 六甲枝垂れ』へ。神戸の王道観光スポットである六甲枝垂れは、「檜でできた六甲山の上に立つ大きな樹」をコンセプトに、建築家・三分一博志（さんぶいちひろし）さんに設計された展望台。

夕暮れ前に到着するようスノーパークを出発して、ぜひ枝垂れの中から空を見上げてみてください。檜の枝が重なり合う繊細な小窓を照らす夕陽は、どこを切りとってもアート作品のよう。あったかい飲み物を片手に、夜景に移りゆく景色を楽しんでみてください。

六甲枝垂れの幹の部分を内側から見上げてみると、こんな景色が広がっています。ここは「風室（ふうしつ）」と呼ばれていて、入り込んできた風の流れを利用して自然換気を行なっているそう

あたりがしっかり暗くなってきたら、階段の下から六甲枝垂れを見上げてみてください。2022年1月15日〜3月15日の期間は雪のような青みを含んだ白色と、火桶の暖かな赤橙色に染まります

夕陽をゆっくりと堪能したら、スノボーで熱を帯びていた身体も冷えてくる頃。いよいよ有馬温泉へ向かいますが、六甲ケーブルで山を下る前に夜景を一望できる『TENRAN CAFE』に寄ってみるのもオススメ。

視界を遮るものがひとつとしてない、このテラスから見渡す神戸の夜景はとっても贅沢。 この景色を眺めながら一足先に乾杯をして、ほろ酔い気分を楽しみながら温泉へ向かうわけです。控えめに言っても、最高じゃないですか……？

有馬温泉の2大名湯といえば、「金泉」と「銀泉」。鉄分と塩分が強く、濃ゆい赤褐色が特徴的な金泉は、肌にまとわりつくようなトロッとした重めの泉質。一方で銀泉は、透き通っていて香りも弱く、さっぱりとした泉質です。今回ご紹介する『有馬御苑』は、金銀両方の温泉を備えているのが嬉しいポイント。銀泉には「炭酸泉」と「ラドン泉」の2種類があり、有馬御苑ではラドン泉を引いています。ラドン泉は免疫力を上げてくれる効果があると言われていて、「万病の湯」と呼ばれているんですよ。

まずはスノボーを楽しんだ身体の疲れを癒すために、ゆっくりと名湯を楽しみましょう。銀泉は檜の露天風呂。ツンと鼻と頬を撫でる冷たい夜風に当たりながら、心の疲れもゆっくりと溶けていくのを感じてみてください。

───ここ2年で、世の中は本当に大きく変わってしまいましたね。何も気に留めることなく、いつでもどこへでも旅行することを許されていた。その自由を制限される苦しみと、私たちはずいぶん向き合ってきたと思うのです。だから盛大な「お疲れ様」の気持ちを込めて、自分を甘やかす夜を過ごしましょう。

夕食は、神戸牛のしゃぶしゃぶをメインとした会席料理。その時期に最も美味しい旬の食材をふんだんに取り入れた全12品が並びます。机いっぱいに並べられたお料理はどれも彩が美しく、お野菜の飾り切りや卵焼きの焼印など、目を喜ばせるこだわりが散りばめられています。

卵焼きに押されているのは、古くから日本の疫病封じの妖怪として知られている「アマビエ様」の焼印。1日でも早く新型コロナウイルスの拡大が収まり、みなさんが安心して旅行を楽しめる日が来ますように……という想いが込められています。

夕食のお品書き
※季節の食材を使用しているため、一部献立を変更される場合があります。

有馬御苑は、有馬温泉の旅館の中で最も早く「神戸肉取扱指定店」の認定を取得しています。高品質の神戸牛を、安定的に取り扱っているという証。とろけるお肉の柔らかさと旨味を充分に愉しめるよう、しゃぶしゃぶメインの夕食が一番のオススメです。

その他にも、冬は鰤・牡蠣・カニなどをメイン食材に選ぶことが多いそう。その時々の、一番美味しい神戸のご馳走を、めしあがれ！

朝食のお品書きは、小鉢三種・炊合せ・カレイ一夜干し（板わさ）・温泉卵・新鮮野菜のサラダ・香の物・豚汁・白ご飯と大満足。
一夜干しのカレイは、旨味は凝縮されていながら身はふわふわで、程よく脂が乗っています。さっと炙る程度に火を入れて、炊き立てのお米と一緒に頬張ると、「ん〜〜〜！」と思わず顔がほころぶ。リピーターさんにも、一夜干しのカレイは特に人気だそうです納得。

お部屋食なので、朝風呂を楽しんでからゆったりと頂くのもよし。私のように、ギリギリまでお布団の中にいたい人にとっても嬉しいですね（笑）。

六甲山でウィンタースポーツを楽しんだあと、有馬の名湯を堪能し、神戸牛でお腹を満たす。身も心もほぐされっぱなしの有馬御苑は、真冬の至福をぎゅっと閉じ込めた旅館なのです。フロントで荷物を預けられるので、チェックアウト後に温泉街をぐるっと一周してみるのも楽しいですよ。

真冬に楽しむ神戸旅。前半はアクティブに身体を動かし、有馬温泉でご馳走と名湯を堪能するというコースを提案しました。後半は温泉を離れ街へ戻り、神戸ならではの絶品チョコレートを巡ったあと、夜景を独り占めしながら満喫するホテルステイが始まります。

後編も、お楽しみに。

【文】ほしゆき
ウェブメディア『TABI LABO』の編集部に所属した後、2018年に独立してフリーライターへ。人やモノ・コトの背景にあるストーリーが好きで、インタビューを中心に企画・執筆を行っている。コピーライターとしてアパレルブランドのコンセプト制作、SHE likesでライティングの講師を務めるなど、幅広く活動中。
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真冬に神戸を堪能するなら、スノボー、温泉、チョコレート。〜後編〜　　Feel KOBE

2022年2月25日

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