街歩きがもっと楽しくなる!ガイドと巡る有馬温泉  Feel KOBE

日本三大名湯ともいわれる有馬温泉は、古くから庶民だけでなく、天皇や武将、豪商、文豪などの著名人も足繁く通ったという名湯です。

そんな有馬温泉街をガイドさんと一緒に回ると、知らなかった!という情報をたくさん教えてもらうことができて、旅が2倍も3倍も楽しくなります。

そこで、今回は有馬温泉ボランティアガイドの奈良さんにお話を伺い、有馬温泉街のおすすめスポットを紹介していただきました。

案内してくださったのは有馬観光ガイドボランティアの奈良さん

今回、有馬温泉を案内してくださったのは、神戸市シルバーカレッジ内にある「NPO社会還元センター・グループ“わ”」に所属する奈良さん。ガイド歴は10年という経験豊富なガイドさんで、有馬温泉にまつわる豆知識の紹介を交えながら、温泉街を案内してくれます。

では、早速奈良さんに教えていただいた有馬温泉の見どころやおすすめスポットを紹介しましょう!

秀吉の視線の先には誰がいる?

奈良さんと一緒に、まず足を運んだのは有馬温泉駅から徒歩1分ほどの「ゆけむり広場」。こちらには有馬温泉をこよなく愛したという豊臣秀吉の像があります。

この像は秀吉が有馬温泉の湯に初めて入ってから400年を記念してつくられたもので、設置にあたっては秀吉が築城した大阪城へ一度運び込み、それから有馬の地へ届けられたのだそう。

告白したいことがある方向けの「告白スポット」が設けられており、フォトスポットとしても人気です。

ちなみに、この秀吉はどこを見ているのかご存じでしょうか?

実は、視線の先にいるのは赤いねね橋の側に建てられているねね像。

ねねとは秀吉の正室で、二人は仲睦まじい夫婦だったことで有名です。二体の像は離れたところに設置されていますが、互いを見つめ合っているのだとか。そんな話を聞くと、なんだか微笑ましく感じますよね。

ただ、見る人によっては「ねねがそっぽを向いている」と感じることもあるのが、この像のおもしろいところ。どのように見えるのか、ぜひ現地で確認してみてください。

信号機の上にはひょうたん

ゆけむり広場の前にある交差点には、4機の信号機があります。そこで奈良さんに「上を見てみてください」と言われ、顔を上げてみると、ひょうたんの形をしたオブジェを発見!

豊臣秀吉は、自分の馬印にひょうたんを使用しており、戦いに勝つたびに増やしていったという話があります。そのエピソードにちなんで作られたのが、この千成瓢箪(せんなりひょうたん)のオブジェ。

教えてもらわなければ、なかなか気づくことができないことを知れるのも、ガイドと一緒に観光をする旅の醍醐味です。

願いが叶うといわれているパワースポット

千成瓢箪のオブジェがある交差点から徒歩ですぐのところに、パワースポットと呼ばれている場所があります。それがこの「袂石(たもといし)」です。

この大きな石は、熊野久須美命(くまのくすびのみこと)が投げた小石が大きくなったと言い伝えられているもの。そのときの小石が礫(つぶて)のような大きさだったことから「礫石」とも呼ばれています。

有馬で流行った疫病を追い払うため、六甲山から大己貴命(おおなむちのみこと)が投げ落としたという説もあるそうで、この石をなでると病気やケガが治るとも信じられてきました。

「願いごとをすると一つだけ叶えてくれる」と言われており、今ではパワースポットとしても人気。「これだけは叶えたい!」という望みがある方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

創業1559年の老舗店「川上商店」

有馬にまつわる豆知識を聞きながら、次は湯本坂にある「川上商店」が営むお店へ。なんと、こちらのお店は1559年創業。室町時代からあるという、神戸でも長い歴史をもつ老舗店です。

有馬温泉街には「本店」「南店」、「山椒彩家」の3店舗を構え、松茸昆布や佃煮、有馬山椒などの商品を販売しています。有馬のお土産を探しているときに、ぜひどうぞ。

山椒専門店「山椒彩家」では、そんな有馬山椒を使用した商品が販売されています。

有馬山椒とは六甲山に自生する痛いトゲのある「ヤマサンショウ」のこと。ピリッと辛く、香り豊かなところが特徴です。

「有馬山椒ドレッシング」は、「山椒彩家」の人気商品の一つ。醤油ベースに有馬山椒、レモンの酸味を加えた和風ドレッシングに仕上げています。

山椒といえば独特な風味があって少し苦手……という方もいるかもしれませんが、そんな方でも食べやすいとの声が多く、リピートするお客さんが多いのだとか。

山椒のピリピリとした刺激がクセになる「山椒あられ」

お酒好きの方におすすめしたいのが「アリマサンショウナッツ」です。塩気と、ピリッとした山椒の辛味がアクセントになり、お酒がよく進むのでおつまみにぴったり!

そのほかにも、サンショウミントなど珍しい商品も並んでいるので、ぜひお店でお好みの品を探してみてくださいね。

Information

山椒彩家
住所 神戸市北区有馬町1172
アクセス 神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩8分
電話番号 078-904-0153
営業時間 ︎9:00~17:30
定休日 ︎水曜日(臨時休業あり)
公式サイト https://kawakami-shouten.co.jp/

念仏寺本殿内にある「茶坊citta」の絶品カレー

おいしいランチを食べたい!というときに、ぜひ訪れてみてほしいのが「茶坊citta(チッタ)」。

お店は、秀吉の正室であるねねの別邸があったといわれている念仏寺の本殿内にあります。

店内には、2人掛けのテーブル席が窓の方を向いて配置されています。そんな茶坊cittaのおすすめポイントは、店内から素敵なお庭が見えるところ!

念仏寺の庭は「沙羅樹園」と呼ばれており、毎年6月には白い花が咲く沙羅(日本名では「夏椿」)が見頃を迎えるのに合わせて「尺八と箏の鑑賞会」が催されます。

そんな「沙羅樹園」の庭をよく見ると、左右に大きな石が2つあるのが分かるでしょうか?

左はすずめに似せた「雀石」、右ははまぐりに似せた「蛤石」で、この2つの石は「雀海中に入り蛤となる」という中国のことわざを表現しているといわれています。

珍しい二つの石が並ぶ庭の景色も楽しみつつ、お店で人気のカレーをいただきましょう。

お店で提供している「ドライカレー」は、なんと水を使わずに野菜やフルーツ、ワインから水分をとって作ったカレー。一口食べるとそのおいしさに感動してしまい、カレーを食べる手が止まらなくなりました!

家の近くにあったら毎日でも通いたいと思えるくらいおいしいカレーなので、有馬温泉を訪れたらぜひ食べてみてほしいです。

なお、茶坊cittaがある念仏寺では、写経や写仏体験もできます。予約なしでも体験は可能ですが、準備に時間が必要になるため、できれば事前予約をしておくのがベター。

ご本尊の阿弥陀如来立像は鎌倉時代を代表する仏師快慶が作ったといわれている

おいしいカレーを食べたあとに、静かな場所で写経や写仏に集中してゆっくりとした時間を過ごすのもおすすめ。

周辺には有馬温泉を見つけた神様が祀られている「湯泉神社」や、聖徳太子が創建した「極楽寺」もあるので、寺社巡りを楽しむのも良いでしょう。

Information

茶坊citta
住所 神戸市北区有馬町1641念仏寺
アクセス 有馬温泉駅からから徒歩約13分
電話番号 078-904-0414
営業時間 ︎9:00〜17:00(LO15:30)※ドライカレーは10:00~提供
定休日 ︎木曜日

ガイドならではの情報をたっぷりと聞くことができて、とても楽しく観光することができた今回の旅。

紹介しきれなかったスポットや豆知識も盛りだくさんで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

有馬温泉に初めて行くという方はもちろんのこと、何度も行っているという方も、知識豊富なガイドの話を聞きながら街歩きをすれば、より一層楽しめること請け合いです。

料金はガイド1名につき3,000円で、一人での申し込みも可能。希望に合わせた観光ルートを提案してくれるので、興味がある方はぜひお試しあれ。

Information

有馬観光ガイド ボランティア グループ
電話番号 078-904-0708(有馬温泉観光総合案内所)
公式サイト https://arimaguidevolg.jimdofree.com/

【取材・文】中田優里奈
神戸在住のライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・執筆・撮影を担当。書籍『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 京阪神版』では神戸市内13ヶ所の公園を取材。これまで取材した神戸の観光スポットやホテル、店舗は200カ所以上。地元の魅力を発信したいという思いのもと、日頃から神戸の街歩きをしてネタ探しをしている。

神戸公式観光サイト Feel KOBE
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