
神戸三宮から車で約30分、須磨・垂水にまたがる「多井畑(たいのはた)西地区」。豊かな自然が残っている一方で、放置竹林の問題を抱えています。
そんな多井畑西地区では、竹林整備を進めるとともに、子どもたちの学び遊べる場、企業と地域のつながりの場としての里山の活用方法を模索中。
今回は、放置竹林の整備やイベントの開催などいろいろな活用を行っている、地元の人たち・ボランティア・神戸の企業や学校といった『活動団体』をご紹介します! 興味のある人・企業も募集中なので、ぜひ見てみてください。
Index
多井畑自治会(多井畑西地区土地再生利用協議会)

地元地権者を中心に、多井畑西地区内の保全活動を行っている『多井畑自治会(多井畑西地区土地再生利用協議会)』。
2022年度からは、震災でお亡くなりになられた方を追悼する「阪神淡路大震災1.17のつどい」へ「竹灯籠」を提供するなど、地区内外で活動しています。
8月に多井畑厄除八幡宮で開催された「竹あかりアートプロジェクト」での販売の様子
そのほか、多井畑西地区で伐採した竹を使った高品質な「竹炭」を制作し、イベントで販売も。
竹炭は、お部屋や冷蔵庫の消臭・調湿、ご飯がおいしく炊ける、ガーデニングや畑などの土壌づくりといったいろいろな場面で使えるそうです。

2024年度には、近隣の多井畑小学校への協力で、地区内休耕地を使った「稲作体験」も実施。少しずつ活動の幅を広げています。
活動への思い
長年放置されてきた農地や山林の整備支援活動を通して、多様化する社会ニーズに合う多井畑西地区の土地利活用について考えています。
竹炭や竹のチップ化、米作りなど、地元地権者がもっと参加出来るような活動・作業を行い、いろんな意見が出る事を期待しています。
上穂川フィールド再生・活用ネットワーク
整備が進んだ竹林
『上穂川フィールド再生・活用ネットワーク』は、地元地権者と近隣の市民ボランティアにより、上穂川(小川)の北側約2haの放置竹林の整備を実施している団体です。
多井畑西地区の里山保全・活用ゾーンで、竹林などの整備・保全を目的に、2022年11月から活動を開始。
伐採した竹を竹チップやポーラス竹炭に変えると共に、美しい林道、竹林に蘇らせようと、月2回定期的に活動しています。
竹炭を作っている様子
伐採した竹は「ポーラス竹炭」に加工。多孔質の炭で、土壌の透水性・通気性・保水性が良くなるとともに、微量成分が補給され作物の成長を促進する働きもあることから、土壌改良に最適なんだそうです。
そのほか「竹チップ」に加工するときも。竹チップも、ガーデニングでの土壌改良材として、また土壌の保温や保湿、雑草の抑制などもしてくれるみたいですよ。

『上穂川フィールド再生・活用ネットワーク』では、ボランティアも募集中。
活動に興味のある人は、ぜひ下記のメール・TELから問い合わせてみてくださいね。日々の活動は、ブログで更新されていますよ。
活動への思い
横尾山・友が丘付近を源流に、須磨区と垂水区をまたいで流れる上穂川周辺の竹林整備に取り組んでいます。
竹林を整備して豊かな生態系を保全するだけでなく、植物や生き物を観察したり、竹炭や竹チップを作ったり。体を動かすことで健康な体づくりにもつながりますので、やる気のある人は、経験の有無に関係なくお気軽にお問い合わせください。
ボランティア参加に関する問い合わせ先
TEL:080-1440-7372
メール:nojigiku450@quartz.ocn.ne.jp
◆関連リンク
・上穂川フィールド再生・活用ネットワーク – 公式サイト
れいんぼぅ☆キッズ

『れいんぼぅ☆キッズ』は、垂水区を拠点に、子どもたちの居場所づくりや仲間づくりのための活動を行っているボランティア団体です。
多井畑西地区で行っているのは、2020年頃から「竹林整備ボランティア」のお手伝いや、コイ科に分類される淡水魚の「カワムツ釣り」「焼き芋づくり」など。地区内の自然に親しむ活動を年に3回ほど開催しています。
画像:公式Instagramより
そのほか、密集した竹が川に倒れかかってトンネルのようになっていた道を、竹を伐採することで小川沿いの道を明るくきれいにするなど、積極的に活動しています。
活動への思い
幼児から社会人までのメンバーと保護者で活動しています。地域の方や他団体の方など、たくさんの方に関わっていただき、自然の中でのびのび遊ばせていただいていて、日常ではなかなかできない体験や、人との交流を通して、子供たちそれぞれの成長を感じています。
◆関連リンク
・れいんぼぅ☆キッズ – 公式Instagram
オーエス株式会社
(左)竹を切る様子/(右)竹炭づくりの様子
神戸三宮を創業の地とする「OSシネマズ」で有名なオーエス株式会社は、地域課題の解決や地域活性化に向けて取り組むべく、2023年3月に神戸市と協定を締結して、さまざまな取り組みを行っています。
有機野菜の栽培を通じた地域還元方策を検討し、その実証実験のフィールドとして多井畑西地区を活用して、「こども食堂」に有機野菜を提供するなど地元の子どもたちとの交流や、親子で一緒に自然体験できるイベントなどを実施。

2024年より、垂水区桃山台にある「神戸バイリンガルスクール」と連携し、学校の農園活動への協力もスタート。
交流広場に畑を作り、子どもたちが畑体験できる場として提供しており、農園活動を通じた自然学習やSDGsの実践の場づくりに取り組んでいます。
活動への思い
私たちは、神戸市と協定を締結し、多井畑西地区の里山保全に取り組んでいます。地域の皆さまと課題を学び、解決に向けた活動を通じて、持続可能な地域づくりに貢献してまいります。
◆関連リンク
・オーエス株式会社 – 公式サイト
神戸バイリンガルクール

垂水区桃山台にある『神戸バイリンガルスクール』では、子どもたちが里山への興味関心を持ち、持続可能な生活について学べる自然学習を行っています。

オーエス株式会社と連携して、授業の一環として、生徒や保護者と一緒に有機農法で畑を作り、種まきから収穫、そして調理して「焼き芋パーティー」などを開催。
多井畑の竹を使った「七夕まつり」「サマーキャンプ活動」「ハロウィン」など、イベントも実施しています。
活動への思い
多井畑プロジェクトに参加させていただき、ありがとうございます。OSシネマズさんと一緒にSDGsと野菜の育て方を学んでいます。竹を伐採したり、その竹を使ってレイズドベッドを作ったりと、とても楽しんでいます。今年度は、収穫したサツマイモで焼き芋パーティーをしました!その時にできた竹炭は野菜の肥料として使っています。 Lots of learning, lots of fun!
Thank you so much for including us in the Tainohata project. We are working with OS Cinemas to learn about the SDGs and how to grow vegetables. We loved cutting down and using bamboo to make a raised bed. The highlight of our year was harvesting our sweet potatoes and making a big BBQ! We even used the bamboo charcoal for fertilizing our vegetables. Lots of learning, lots of fun!
◆関連リンク
・神戸バイリンガルクール – 公式サイト
淡路景観園芸学校

2022年度より、『兵庫県立淡路景観園芸学校』の学生が中心となって、「交流広場づくり」を考え、作成したゾーニング案に基づいて「手作りの整備」を行っています。

ワークショップでアイデアを出し合って活用方法を検討し、近隣の子どもたちと保護者に多井畑の自然に親しんでもらえるよう「プレーパーク」というイベントも開催。子どもたちと一緒に、生き物が集う「ビオトープ」を整備しました。

現在も、生き物が住みやすくなるよう日陰を作る「いかだ」を池に浮かべたり、ビオトープの一部に田植えを行って「タイノハタ米」を収穫したり、見晴らしのいい高台を作ったりと活動を続けています。
日々の活動状況は、noteで更新されているので、ぜひ見てみてください。
活動への思い
プレーパークは、子どもたちの「やってみたい」と思う好奇心や欲求を引き出し、子ども自らがそれを実現できる遊び場です。
火を使ってピザを焼いたり、ササで隠れ家を作ったり、また学生たちが作ったビオトープ池や展望台もあったりと、普段なかなか出来ない体験が出来ます。ぜひ交流広場にお越しください!
いかがでしたか?多井畑西地区では、地元の人たちだけでなく、神戸の企業や学校、ボランティア団体などが長期的な活用に取り組んでいます。
竹林整備を体験してみたい!交流広場に行ってみたい!など、多井畑西地区に興味のある人は、定期的にイベントが開催されているので、ぜひ参加してみてくださいね。
また、企業のCSR(社会的責任)活動や社内研修・レクリエーションでの多井畑西地区の活用を目的に、体験会なども開催されているので、気になる人はぜひお気軽にご相談ください。
◆関連リンク
・須磨・垂水の自然豊かな都市型里山『多井畑西地区』 – 特設サイト
ゆう
神戸で生まれ育った神戸っ子。趣味は、自然に癒やされながらの散歩とサイクリング。プリンが大好物のよく笑う人です。
ライター一覧