再編対象の垂水区「たるみ幼稚園」
神戸市教育委員会は、市立幼稚園の再編方針について2022年から協議しています。2023年11~12月に実施した意見募集には2000件近くが寄せられ、市民の意見などをもとに修正した「再編方針案」が、5月20日に市会で発表されました。
神戸市内には「32園」の市立幼稚園があり、再編対象・再編検討中となるのは「園児数が少なく、集団による効果的な保育を行うことが難しい」とされた13園。ここ5年の平均園児数をもとに、今後も総園児数20人未満が見込まれることが主な理由です。
市立幼稚園の再編方針について、昨年秋に実施した市民意見募集に1005通(1986件)の意見が寄せられ、市教委は引き続き方針を検討していました。
5月20日に市会の教育こども委員会で発表された「再編方針の修正案」では、対象園数は当初案から変更されないものの、各園の閉園時期を明記しています。
この修正案についての意見募集は「実施しない」んだそう。
当初案 | 修正案 | |
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再編時期 | ・I期として、休園中を除く再編対象園について、2026年度末~2028年度末にかけて4園程度ずつ閉園 ・その後Ⅱ期として、概ね区域を単位とした集約化に向けた再編を検討、2029年度以降に実施 | ・休園中を除く再編対象園について、今後の園児数などニーズの推移を引き続き把握する。2026年度に4歳児の最終募集を行い、2027年度に4歳児の募集を停止。2028年度末に閉園する。ただし次年度に向けた園児募集状況により、運営が困難な見込みとなった場合は、在園児の卒園後に閉園 ・概ね区域を単位とした集約化に向けた再編は引き続き検討 |
市立幼稚園の 今後の機能・役割 | ・現在実施していない灘区、北区(本区)、垂水区でも3年保育を進める | ・2025年度より灘区「灘すずかけ幼稚園」、北区「やまびこ幼稚園」、垂水区「青山台こばと幼稚園」において3年保育を進める ・西北神地域の市立幼稚園閉園については、当面の間地域の実情・ニーズを把握したうえで、市立幼稚園への通園には公共交通機関を利用して支援員が送迎する ・再編にあたり、きめ細やかな支援が必要な幼児の受け入れについて、行政機関や周辺の教育・保育施設と連携。周辺施設利用に向けた支援を行う |
方針の主な修正内容として、再編時期は当初、2026年度末~28年度末まで段階的に4園ずつ閉園としていたのが、園児数のニーズを見ながら閉園していくようにするみたいです。
意見募集では「市立全体での3年保育の拡充」を求める声が寄せられましたが、これまで3年保育が未実施だった灘区・北区(本区)・垂水区で2025年度から導入されることが決まったものの、さらなる拡充は行わない考えです。
多くの公立園が実施している「2年保育」ではニーズと合わず、それが入園者の減少につながっているという指摘も。
市教委は、3年保育を拡充しない理由について「私立から園児を奪うことになり、私立が閉園すると保護者や子どもだけでなく、教職員の雇用にも影響する」と説明しています。
神戸市の方針修正案では一部の区で3年保育が導入されることになりましたが、認定こども園への移行は検討していないみたい。県内では神戸市以外でも公立幼稚園の再編が進んでいるものの、休園や定員割れの園を閉園する一方で、認定こども園に移行している自治体も多いみたいです。
◆関連リンク
・神戸市教育委員会 – 公式サイト
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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