『しおかぜメモリークリニック』院長の南先生が教えてくれた~認知症患者さんとそのご家族のお話~[KOBE Journal PR]

ライター:このみ

病気に大きいも小さいもなく、みんなそれぞれ、抱えている何かと向き合っています。

その中でも、認知症は少し他の病気とは違った特徴があるように感じます。

それは、ガンや脳梗塞のように診断されてすぐ生活が変わらないということ。むしろ、診断された翌日も、今までとそう変わらない生活がまた始まります。

だからこそ、診断された患者さんも、その家族も、本当の意味で病気を受け止めることがなかなかできません。

JR神戸駅からすぐの認知症医療専門しおかぜメモリークリニックで院長をされている南 辰也(みなみ たつや)先生。

このみ
南先生の考える”病気を受け入れる”とはどういうことですか?
南先生
病気の特徴をしっかり理解し、起こっている変化や症状が、病気によって起こっていることを納得できるかどうかということです。

頭ではわかっていても、ガラッと様子が変化するわけではないので、何かが起こった時に「病気なのか」「今日の気分なのか」「家族への甘えたい気持ちなのか」分からず、きつく責めてしまったというご家族も少なくはないでしょう。

大切な人が少しずつ、でも確実に変わっていくことへの不安やもどかしさ、まだ大丈夫だと信じたい気持ちなど、複雑な想いがそこにはあります。

他の病気のように劇的な変化こそないものの、患者さんと家族、その両方の心をしっかりケアしながら、じっくり気長に向き合ってあげる必要があるのもこの病気の特徴なのだと感じます。

「認知症の家族」という立場も経験した南先生だからこそ

南先生のおばあちゃんは、約10年前にアルツハイマー型認知症だと診断され、現在もその病気と向き合っています。南先生が認知症の専門外来「しおかぜメモリークリニック」を開いたのも、このことがきっかけだったそうです。


左)幼少期の南先生 右)おばあちゃん よく似ていますね。

おばあちゃんは生まれてから、現在に至るまでずっと、淡路島で暮らしています。南先生はずっとおばあちゃんっ子だったので、当時お付き合いをしていた彼女を連れて一緒に釣りをしたり、釣った魚で料理を作って食べたり、おばあちゃんと沢山の思い出があると話してくれました。

ただ、そのおばあちゃん。認知症でよく物忘れをしていたそうなのですが、当時の彼女と釣りをした思い出だけは忘れることがなく、その後別の彼女を連れて行っても何年にもわたって「この間のあの子と行った釣りまた行きたい」と、毎度その話を持ち出されるので先生は冷や冷やしていたとか。

それだけ楽しいという印象がおばあちゃんの中で強く残っていたのでしょうね。

そんなおばあちゃんの体調の変化にいち早く気付いたのは、島の病院の先生でした。

定期的に通院していたので、島の先生はちょっとしたおばあちゃんの変化に気付いてくれて、検査を勧めた結果、早めの段階で「認知症」だと気づくことが出来たようです。当時70代後半。

南先生自身も医師の立場で多くの患者さんと接する中で、診察の日時を間違えたり、薬の余っている量が増えたりすることを目印に、症状の進行を把握することもあるそうです。

おばあちゃんが診断されたアルツハイマー型認知症というものは、数か月などの短いスパンで大きな変化が現れるものではなく、数年単位で見ると変化がわかる、緩やかに進行するタイプの認知症だと言われています。(年齢、治療の開始段階などによって異なるので一概には言えないですが…)

南先生も3か月に1度のペースで島に帰っておばあちゃんに会いに行っていたようですが、ある日「名前が思い出せない」と言われた時はやっぱりとてもショックだったそうです。

老々介護における課題と周りのサポート

おばあちゃんが認知症だと診断されてから、もう一つ課題となったのは、おじいちゃんの存在。

おじいちゃんとおばあちゃんはいつも一緒に暮らしてきました。認知症の診断をされてからも、これまでとそう変わらず生活を続けていましたが、少しずつできないことが増えたり、変化していくおばあちゃんを見て、一番つらかったのはおじいちゃんだったのかもしれません。

なかなか、その症状が病気によるものだと受け止めることが出来ず、ストレスを感じてお酒を飲む量が増えたり、おばあちゃんにきつく怒鳴ってしまうこともあったと言います。

身近で誰よりもおばあちゃんの変化を感じていたからこそ、自分の知っているおばあちゃんから遠くなっていくような不安があったのだと思います。

そんな二人の姿をみていて、南先生やご家族はこのままだと、おじいちゃんもおばあちゃんも精神的に健康で居続けられないと感じたそうです。


「しおかぜメモリークリニック」の『重度認知症デイケア』でボードゲームをする様子。作業療法士さんもいるので、リハビリなども可能だそうです。

しおかぜメモリークリニックは2019年5月に開業し、現在2年目。そして、今年の8月から重度認知症デイケアを始めました。身近な人の経験を通して、開業前から南先生が実現したいと思っていたことの一つでした。

重度認知症デイケアとは?
主に、認知症の患者さんを対象に、これまでの生活や仕事での経験を活かした個人ワークや集団行動をすることで、認知症における周辺症状の緩和や生活能力の機能維持を目的とした薬以外の治療法です。

南先生のおばあちゃんは、おじいちゃんの希望もあって、出来るだけ生活を大きく変えない様に、訪問介護という形でホームヘルパーさんに来ていただいて、簡単な生活の補助をお願いすることから始まりました。病気の進行度に合わせて3年ほど前からは、週のうち数日間、施設に入所して介護を受ける「ショートステイ」も利用しているそうです。

南先生は、おばあちゃんの経験を通じて、薬を使った治療に留まらず、医療目線で出来ることがないかと考えた結果が、重度認知症デイケアだといいます。

南先生
しおかぜメモリークリニックには、私のほかに非常勤医師10名、看護師5名、相談員3名がいます。スタッフと協力しながら、直接、ご自宅に伺って患者さんとお話させてもらっています。患者さんが他にホームヘルパーさんも利用されている場合は、医療目線と介護目線で情報を共有しながらベストな提案が出来ればと考えています。

認知症という完治しない病気だからこそ、敵のように思って戦っていてはきっと疲れてしまう。そうして日々の小さな喜びだったり、周りへの感謝の気持ちを忘れてしまうような、余裕のない生活は患者さん自身もご家族も送りたくないですよね。

しっかり病気の特徴を知って、何が自分や家族にとって必要なのか早めに考え、気長に向き合っていくことが出来ればとても素敵なことだと思います。

患者さんやご家族だけで抱え込まず、周りの手を借りたり、意見をもらったりすることで救われる事もあるかもしれません。南先生自身も身近な経験としていろんな想いを感じて今があります。

だからこそ、その時その時のご家族の気持ちに寄り添い、支えることが出来るのだと思います。

  認知症医療専門/夜間診療対応 
 しおかぜメモリークリニック
 公式サイト

【住所】神戸市中央区多聞通2-1-9
【電話番号】078-335-7570
【診療時間】月~土 9:00~22:00
【休診日】日曜日・祝日

 診察  ご家族も一緒にリラックスして受けてください。病状だけにとどまらず、患者さまの生きてこられた人生を理解するために生まれ故郷の話や学校、職業の話など、ご活躍されていた過去のお話を踏まえて、全人的なアプローチで問題の解決に取り組みます。もちろん、各種心理検査など科学的に有用な客観的評価を用いた、正しい診断を心がけております。患者様一人一人に適した医療をテーラーメイドで提供いたします。

 訪問診療  当院では訪問診療に力を入れています。訪問診療とは、体調が悪いときにだけ医師が診察に伺うものではなく、 お一人で通院が困難な患者様のご自宅や入居されている施設に、医師が定期的に診療にお伺いし、計画的に健康管理や治療を行うものです。 定期訪問に加え、緊急時には365日×24時間体制で対応させていただきます。また、急な体調悪化など、必要に応じて臨時往診や入院先の手配などを行います。当院は在宅療養支援診療所の指定を受けています。近隣の病院様とも連携がございますので、認知症はもちろんのこと、身体疾患に関してもなんなりとご相談ください。

 各種検査(血液検査・心電図・CT・MRI)  当院は近隣の神戸大山病院等と協力し各種画像検査実施した上で、確定診断を行っております。また、血液検査は自院での実施が可能ですので、身体疾患による認知機能低下などは比較的早急な結果の説明が可能です。また、訪問診療の患者様に関しては、血液検査など、簡易な検査であればご自宅で施行させていただきます。※画像検査は連携機関にて実施

 心理検査  認知症患者さまの心理的な側面を各種心理検査にて多角的にとらえていきます。患者さまの訴えでだけでなく、客観的な評価を基に表出がされにくい深層心理からアプローチを行います。(心理検査例:長谷川式簡易知能評価スケール、MMSE、ADAS、WAIS-Ⅲなど。)
各種の心理臨床検査を医師や臨床心理士が丁寧に行います。

 処方  当院は院外処方になっております。近隣の薬局へ処方箋をお持ちください。訪問診療の方は、薬局様によってはご自宅への配送が可能な場合もございます。なんなりとご相談ください。

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このみ
ライター:このみ
花や夕焼け空を眺める時間が好きです。
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