「サターンの椅子」が話題の『山手八番館』は、彫刻と仏像も見ごたえアリ

西洋&アジアの彫像が大集合

『山手八番館』(旧サンセン邸)は明治後期築。 15~17世紀のイギリス、テューダー朝時代を思わせるハーフティンバー様式の2階建ての木造建物です。

ハーフティンバー(half timber/半分木材)の名前通り、柱や梁、筋交いなどの骨組みを装飾として見せているのが特徴です。

石を積み重ねたアーチ状の梁のあるエントランス、塔状の窓が3つ連なっているところも見どころだそう。

エントランスの両端には、ファンタジー映画に出てくる番人のような生き物が。とか言ったら怒られそうですね。

実は奈良の興福寺に安置されている天燈鬼像と龍燈鬼像のレプリカで、オリジナルは鎌倉時代の鬼彫刻の傑作といわれる日本の国宝なんだとか。

エントランスを入って振り返ると、レトロなステンドグラスが。色使いもタッチも、何といいますか、気合の入った美しさのようなものを感じます。

まずは、1階の建物右手、マコンデ彫刻のある部屋へ。いきなり雰囲気が変わりました。これは東アフリカのマコンデ族による伝統的な黒檀彫刻です。

なんとも表現しがたい彫刻でコメントしづらいと思っていましたが、ピカソをはじめとした現代美術のキュビズムに影響を与えたと知って妙に納得してしまいました。

次に、1階左手にあるヨーロッパ美術の部屋へ。2部屋が連なっていて、彫像と版画がズラリ。

20世紀の彫刻のパイオニアに数えられるブルーデルや、印象派の画家で知られるルノワールなど、フランス芸術界の巨匠によるブロンズ像を鑑賞できます。

こちらは「考える人」などを手掛けた近代彫刻の父と言われるロダンの作品で「鼻曲がりの男」。小さめの像ですが、さすが巨匠、感情豊かでエネルギーを感じます。

版画では「光と影の魔術師」と呼ばれるネーデルランド共和国(現オランダ)の画家のレンブランドの作品もありました。

 

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