2020年から小学校で『プログラミング教育』が必修化されました。
今や生活から切っても切り離せない「IT」ですが、「プログラミング」と聞くとなんだか高度でなじみのない印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
神戸市教育委員会は、『プログラミング教育』の基本的な考え方から、子どもたちに教えるべき方向性について学ぶための講習会「プログラミング指導教員育成研修」を実施し、神戸市内の小学校から26校・32名の教員が参加しました。
神戸市教育委員会からの依頼を受け、小学校教員向けの研修を行ったのは「地域ICT推進協議会」、略して「COPLI(コプリ)」。日頃から、情報通信技術の活用を通じて地域の活性化を図ることを目的に活動しています。
講習会を通して、小学校教員が感じている『プログラミング教育』での課題や学校ごとの違いなどを互いに共有しあい『プログラミング教育』のレベルを向上していくことを目指す研修となっています。
講師を務めたのは、「COPLI(コプリ)」に所属する「株式会社ワイドソフトデザイン」の飛田裕さん。日頃はテクニカルアドバイザーとして、コンピューター開発や技術顧問を行っています。
飛田さんは「プログラミング教室」なども行っており、年々プログラミングを学ばせたいという親御さんが増えている印象とのこと。
実際2020年に行われた「子供向けのプログラミング教室」では40人ほどの申込だったのに対して、今年に入って130人の申込があり、飛躍的に関心が高まっていることが伺えます。
プログラミング教育とは
プログラミングとは簡単に言えば「コンピュータに指示をすること」ですが、小学生が対象となるとたくさんの課題があります。
例えば「理解する力」や「伝える力」がその一つに挙げられます。講習会の中では「カップラーメンの作り方」を一例にあげて説明が行われました。
課題:『ロボットにカップ麺を作らせるための指示を文章に起こしましょう』(制限時間10分)
本来プログラミングというのはコードを入力しますが、まずはプログラミング的思考を理解するために日本語に置き換えた形でのワークになっています。
参加している先生方は各々手元のメモにカップ麺を作る手順を書き出していきます。
「カップ麺を作る」という行動を実現するために、①どのような動作が②どんな順番で③またどんな組合せで④どのように指示をすべきか などの思考力が求められます。
これがいわゆるプログラミング的思考と呼ばれています。
プログラミング的思考は、普段の授業でも育てられる
中学校になると「IPアドレスとは何か」「セキュリティを守るためには?」といった実用的な学習が始まり、高校生になると社会に出ても即戦力になれるような知識も学ぶことができます。
ただ小学生においては「パソコンのタイピング」や「文字の読み書き」など、プログラミングを教える以前に学ぶべき多くのことがあります。
まずは「国語」などの身近な授業を通して、また各家庭で「料理」をお手伝いするなど、ひとつの行動を「分解」して捉えたり、その「順序」を考えることは『プログラミング的思考』を養うことにつながるそう。
また「プログラミング教育」を通して、物事をよく理解し伝える能力を養うことができるとも言い換えられるのかもしれません。
『プログラミング的思考』というと難しく聞こえますが、意外と身近なものであり、様々な場面で必要となる思考力のようです。
中高生と異なり1歳、2歳の差が大きい小学生は、担任する学年によって「教えるべき内容」や、今後生まれる「課題」に差がありそうです。
新たに始まった『プログラミング教育』において、積極的に学び意見交換ができる場があることで教育内容がより充実し、神戸の子供たちがこれからのIT人材として活躍していくといいですね。
◆関連リンク
・地域ICT推進協議会 – 公式サイト
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花や夕焼け空を眺める時間が好きです。
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