建築の魅力と「まちづくり」はコミュニケーションから生まれる。クリエイティブな「空間づくり」とは

「まちづくり」にどういった形でクリエイターが関わっているのか。その中で、街の良さを生み出すには何が必要なのか。

「まちづくりは人である」ということはもちろん重要ですが、人が集まる場所としてハコが必要です。クリエティブに関わる人にとって、「まち」の受け皿を創るには何が必要なのか、そんなことを学ぶセミナーに行ってきました。

これまで神戸起業操練所で開催されるワークショップでは、デザイン関係のものが多かったですが、今回は、建築というジャンルからのアプローチです。

講師を担当するのは、お二人。まず、榊原充大(さかきばら みつひろ)さん。榊原さんは特徴的な職種で、建築家であり「リサーチャー」というポジションで様々なプロジェクトに関わっています。

建築家として建物の設計をメインにしているのではなく、リサーチャーとして事前調査から始まり、どういったハコが必要なのかを考え、関わる人とディスカッションしながら、ソフトな部分とハードなハコを組み合わせてプロジェクトを完了まで導くというような仕事をしています。

リサーチの定義について、「研究(理論)と設計(実践)の間にあるもの」としています。

通常、建築の設計をする場合、お題はある程度施主から与えられるものです。要望に合わせて形で表現していくだけでなく、榊原さんの場合、必要に応じてその必要性を議論する。

理想はあるもの、常に目の前にある課題を俯瞰的に見れるのは、特定のアウトプットをあらかじめ決めてないからだと言えるかもしれません。

事例として、使われない町家を改修しアーティストに安価に使ってもらうというプロジェクトの紹介がありました。

建築家は、建物を設計するプロフェッショナルですが、榊原さんの場合は少しユーザー(施主、利用者)寄り。どうやって使っていくかを議論するに多くの時間をかけるようです。

施主、将来住む人、建築家。リサーチャーとしての関わりは、そこを俯瞰的に見ていますし、理論や実践、また議論の中にある納得感を共有するようプロジェクトを進めているそうです。

講師のもう1人。丹治 徹也(たんじ てつや)さん。現場で建築施工を学び、そこから独立して、株式会社アトリエロウエ(Atelier Loöwe)を立ち上げ代表をしています。

これまでの経歴や、ここまでに至った自分の思いなどを話し、施工事例なども紹介してました。旧居留地に去年できた「ブルーボトルコーヒー」は丹治さんの会社で、施工を担当したそうです。

旧居留地にオープンする「ブルーボトルコーヒー」が店舗を公開したので見てきた。7月20日(金)オープン

2018年7月19日

仕事を自分で始めた時、多くの人が悩む、営業的な部分であるとかモチベーション的な部分を素直に話し、どう仕事に繋げていくかといった話は、個人事業や会社を始めた人にとっては参考になったんではないでしょうか。

ニーズを捉え、最終的にどういったハコに落とし込むかというのは、その後の使われ方に大きく影響されることになりますので、建築を創る人にとっても、そこを利用する人にとっても、重要なことです。

そこには何十年と使い続ける事を想定し、ニーズの変化にもどのように建物が対応していくか、将来を考えた上で、現在から将来まで使い続けるハコを創るという意味で、目の前だけではない本来のニーズを捉える必要があるんだろうと思います。

建築を創る時点のコミュニケーションから得た納得感も、将来予測や設計における一つの材料にするということが重要ではないでしょうか。

神戸起業操練所は新しいビジネスを支援する施設で、様々なイベントを開催しています。無料で参加できるイベントがほとんどですので、興味がある人はぜひチェック。


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神戸で会社&フリーランスのスタートアップなどを無料で支援する『神戸起業操練所』。利用者にメリットを聞いてみた

2019年5月9日

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この記事を書いた人

カズマ

神戸ジャーナル 編集長

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