神戸といえば「海」も「山」も楽しめるのが魅力のひとつ。神戸の市街地のすぐ北側に山があって、「山がある方角=北」ということで、北側のことを”山側”と言ったりしますよね。
東西に約30kmにわたって連なる六甲山系の山々『六甲山』は実は近代登山発祥の地で、ハイキングコース・トレッキングコース・ロングコースと、さまざまな登山道があります。
今回は、あまり登山に慣れていない初心者の人でも楽しめる『神戸のおすすめハイキングコース』をご紹介します。
- 【須磨アルプス】海と山と神戸の景色を満喫できるコース
- 【再度山・布引】複数のルートから楽しめる名勝「布引の滝」コース
- 【摩耶山】初心者から健脚者まで楽しめる複数の登山コース
- 【六甲山】一番人気はロックガーデンを登り六甲最高峰を目指すコース
山を登る前にチェック!
六甲山系の山々は、市街地から近いこともあり手軽に登山が楽しめるのが特徴ですが、谷が深く、急峻な場所も少なくありません。地図やきちんとした装備を持たずに遭難する事例が多発していて、神戸市消防局では毎年約100件もの山岳救助活動をしているそうです。
きちんとした準備をしていれば避けられた遭難も多いんだそう。しっかり準備してから登りましょう。
- 頭
帽子は必ずかぶりましょう。日差しが防げるだけでなく、枯れ枝の落下などからも頭を守ります。 - 荷物
山の天気は急変しがちです。荷物は増えてしまいますが、雨具や防寒具を持っておきましょう。水・非常食・ティッシュ・常備薬・健康保険証なども忘れずに。 - 手元
六甲の山のなかでは、携帯電話は圏外になる場所も多いです。登るルート情報や現在地など、すべてをスマホに頼るのは危険。紙の地図とコンパスを持って行きましょう。 - 服装
山道では笹や枝で切り傷を負うこともあるほか、転倒した場合は大けがにつながるので、厚手のズボンや長い靴下がおすすめです。 - 足元
登山において「靴」は特に重要。必ず慣れた靴を履きましょう。新しい靴の場合は短いコースで何度か試すのがおすすめ。自分に合った靴で登りましょう。 - マナー
登山道は基本的に「登り」が優先されます。人数や道の状況などにもよるので、お互いに声かけして譲り合うのが大切です。また、山での火気使用は、不注意で取り返しの付かない事態につながることも。落ち葉や枯れ枝といった燃えやすいものの近くで火を扱うのは厳禁です。出したゴミは必ず持ち帰る、登山道を外れて歩かないなど、山の環境にできるだけ負荷をかけない「ローインパクト」も心がけましょう。
【須磨アルプス】海と山と神戸の景色を満喫できるコース
『須磨アルプス』は「六甲全山縦走路」の起点でもあり、海と山と神戸の景色が楽しめる六甲山系中西部エリアの人気コースです。
前半は潮風を感じる海辺の「須磨浦公園」から、鉢伏山・旗振山・鉄拐山(てっかいさん)を登り、高倉台方面に向かう4時間のコース。
登山道や道標が整備されているので、初心者でも安心して歩けるのが特徴。道中には、与謝蕪村が須磨の浦を訪れた際に詠んだ名句の「蕪村句碑」があるほか、須磨浦山上遊園にはレトロな回転式展望台「回転展望閣」もあるので、休憩がてら寄り道も。
画像:Instagramより(@surubon)
鉄拐山は標高234m。山頂では神戸の街並みと大阪湾を一望する景色を楽しんで、ひと息つきましょう。
須磨アルプスの後半は高倉台から栂尾山・横尾山・東山を登り、地下鉄 妙法寺駅を目指します。前半の鉢伏山・旗振山・鉄拐山に比べて難易度が上がり、登りごたえのある約1時間半の中級者向けのコースになってます。
画像:Instagramより(@ryomomo2417)
須磨アルプス最高峰の横尾山と東山の間には、むき出しの岩肌が広がる「馬の背」と呼ばれる人気スポットがあって、切り立った岩尾根は迫力満点。テレビCMの撮影にも使われたんだそう。
横尾側から「馬の背」を登って高倉台方面へ向かうルートも人気です。美しく迫力のある景色が楽しめる馬の背ですが、両側が切れ落ちた幅が狭い部分もあるので、慎重に進むのがおすすめ。人とすれ違う際にも注意しましょう。
画像:Instagramより(@hanamiho_1030)
栂尾山(とがおさん)の山頂には小さな展望台があって、ここから明石海峡や神戸の市街地の美しい景色が一望できます。ハイキング・登山での心地良い疲れが癒やされますね。
出発地点
神戸市須磨区一ノ谷町5-3 MAP
コース例
須磨浦公園~板宿ルート:山陽電鉄 須磨浦公園駅 ~ 鉢伏山(標高244m) ~ 旗振山(標高252m) ~ 鉄拐山(標高234m) ~ 高倉山(標高200m) ~ 栂尾山(標高273m) ~ 横尾山(標高312m) ~ 馬の背 ~ 東山(標高253m) ~ 地下鉄 板宿駅
横尾~高倉台ルート:東山(標高253m) ~ 馬の背 ~ 横尾山(標高312m) ~ 栂尾山(標高273m) ~ 栂尾山登山口
所要時間(目安)
須磨浦公園~板宿ルート:約4時間
横尾~高倉台ルート:約1時間30分
◆関連リンク
・神戸の山に登ろう! – 神戸市公式サイト
【再度山・布引】複数のルートから楽しめる名勝「布引の滝」コース
画像:Instagramより(@yogu_rina)
『再度山』(ふたたびさん)は、各線 新神戸駅の北部にある六甲山地のひとつです。市街地から近いハイキングコースとして人気で、新神戸駅から歩いて数分でたどり着ける「布引の滝」は人気観光スポットになってます。
コースは複数ありますが、歩きやすいハイキングコースとして、各線 元町駅からスタートし、再度山中腹にある大龍寺、再度公園、名勝「布引の滝」を辿って新神戸駅を目指すコースをご紹介します。所要時間の目安は約3時間です。
「諏訪山公園登山口」から登る場合は諏訪山公園の「金星台」を経由して「諏訪神社」へ。大龍寺への登拝道「大師道」は古くからある道で、安心して歩けるのが特徴です。
画像:Instagramより(@ymk_611)
さらに北に行くと、都市公園として日本で初めて登録記念物に指定された「再度公園」に着きます。紅葉スポットとしても人気なので、秋の紅葉シーズンに訪れるのも良さそうですね。
画像:Instagramより(@pokky.25)
新神戸駅のすぐ裏にある「布引の滝」は、上から雄滝(おんたき)・夫婦滝(めおとだき)・鼓ヶ滝(つつみがだき)・雌滝(めんたき)と続いています。雄滝の上には休憩できる「雄滝茶屋」があるんだそう。
新神戸駅側から登るルートも人気です。布引の滝周辺は複数のわかれ道があって、さまざまなルートが楽しめるんだとか。
新神戸駅内には、最近できた登山支援拠点「トレイルステーション神戸」があり、登山者が立ち寄って情報収集できるほか、ガイドツアーや荷物預かり・登山用品レンタルなどさまざまなサポートをしてくれます。
出発地点
神戸市中央区元町高架通 MAP
コース例
各線 元町駅 ~ 諏訪山公園登山口 ~ 諏訪神社 ~ 大龍寺 ~ 再度公園 ~ 再度山(標高470m) ~ 布引の滝 ~ 各線 新神戸駅
所要時間(目安)
約3時間
◆関連リンク
・神戸の山に登ろう! – 神戸市公式サイト
【摩耶山】初心者から健脚者まで楽しめる複数の登山コース
『摩耶山』(まやさん)は、初心者から健脚者まで楽しめるバリエーション豊かな登山道がある山です。
主な登山道は山田道・杣谷道・上野道・トゥエンティクロス・青谷道・天狗道ですが、今回は道中に観光茶園もある初心者向けコース「青谷道」をご紹介します。
画像:Instagramより(@fuwamaruno.1)
「青谷道」は摩耶山の南側斜面を流れる「青谷川」に沿った登山道で、旧摩耶山天上寺への参詣道のひとつです。
現在も地元住民などが毎日登山しているルートで、登山口から途中までは舗装された道が続く歩きやすい道になってます。所要時間は約2時間。
画像:公式Instagramより
道中にある「静香園」は神戸で唯一の茶畑・観光茶園で、山の湧き水で淹れたお茶やおまんじゅうがいただけるんだそう。
こだわりの新茶は根強いファンも多い人気商品で、この新茶を使ったリキュールも販売されてるんだとか。
画像:Instagramより(@zekkei2)
摩耶山頂(三等三角点)は木々に囲まれたところにあるので、景色を楽しみたい場合は、山頂から歩いて10分ほどのところにある「掬星台」へ。
日本三大夜景として知られるスポットですが、日中も神戸を一望できる眺望が楽しめます。
出発地点
神戸市灘区城の下通3-4-1 MAP
コース例
青谷道登山口 ~ 静香園 ~ 不動の滝 ~ 上野道合流 ~ 摩耶山頂(標高702m) ~ 摩耶山 掬星台
所要時間(目安)
約2時間
◆関連リンク
・神戸の山に登ろう! – 神戸市公式サイト
【六甲山】一番人気はロックガーデンを登り六甲最高峰を目指すコース
画像:Instagramより(@kanda718)
『六甲山』(ろっこうさん)は大小の山を含む六甲山系全域を指すことが多いですが、六甲山地で最も標高が高い六甲山最高峰(標高931m)を含む「六甲山系東部エリア」は、新日本百名山・日本三百名山・ふるさと兵庫50山に選定される人気の山です。
六甲山には眺望と自然を楽しめる多くの登山ルートがあります。
ロングコースの「六甲全山縦走路」は須磨浦公園から宝塚までの全長56kmを歩く人気コースで、毎年開催されている大会は今年は11月に実施予定。今回は新神戸がゴールの「半縦走」も行われるんだそう。
有馬温泉側から登るコースもありますが、人気の王道ルートは芦屋川から「ロックガーデン」を経由して六甲山最高峰を目指すルート。全体の所要時間は5時間~5時間30分ほどで、山頂までは約3時間~3時間半ぐらいが目安です。
芦屋川駅から市街地を歩いて「高座ノ滝登山口」から登ります。滝の茶屋から少し登ると「高座ノ滝」があって、ここから本格的な登山道になっていきます。
画像:Instagramより(@adyscamp222)
「ロックガーデン」は大小さまざまな岩を乗り越える道で、簡単な鎖場を進むところも。
風吹岩までの露岩帯付近は「ロックガーデン中央稜」とも呼ばれていて、日本の近代登山発祥の地なんだそうです。
画像:Instagramより(@yoshiki_segawa)
ロックガーデンルートにある「風吹岩」は花崗岩の岩で、フォトスポットとして人気です。写真を撮りつつ休憩しましょう。
風吹岩は色んなルートが交わる場所で、ここから2時間ほど登ると六甲最高峰に到達できます。そこから有馬温泉方面に下山して、温泉で疲れを癒やすのも良さそうですね。
出発地点
芦屋市西山町1 MAP
コース例
阪急 芦屋川駅 ~ 高座ノ滝登山口 ~ 高座ノ滝 ~ ロックガーデン ~ 風吹岩(標高437m) ~ 雨ヶ峠 ~ 一軒茶屋 ~ 六甲山頂(標高931m)
所要時間(目安)
約5時間~5時間30分(芦屋川~六甲山頂までは約3時間~3時間30分)
◆関連リンク
・神戸の山に登ろう! – 神戸市公式サイト
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あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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