灘の酒づくりがよくわかる『白鶴酒造資料館』で日本酒の旨さを学んできた

日本の有数の酒処(さけどころ)である灘五郷。そのひとつに数えられる「御影郷」は神戸市東灘区の御影地域にあたり、『白鶴』や『菊正宗』『剣菱』といった銘柄がつくられています。

誰もが知っているようなメーカーが狭いエリアに集中しているわけですが、1743年(寛保3年)創業の『白鶴酒造』は、本社敷地内に『白鶴酒造資料館』があります。ここは昔ながらの酒づくりの工程を紹介する企業ミュージアムで、入場料はなんと無料。

昨年は国内外から約15万人が訪れたということで、世界が注目する神戸の人気スポットをじっくり見に行ってきました。


神戸市東灘区住吉南町4-5-5

老舗の本気を感じるリアルな展示

『白鶴酒造資料館』の最寄駅は、阪神電鉄「住吉」駅です。JRや阪急電鉄でも行くことはできますが、徒歩だと結構な距離がありますので、三宮での乗り換えがオススメ。

駅のポスターにも書かれている通り、資料館までは歩いて5分ほど。改札を出てすぐ右手に信号がありますので、そのまま南へ進みます。

高速道路の高架下を走る国道43号を渡ると右手に「ハクツル」の文字が見えました。あの看板を目指してそのまま南下し、ひとつ目の角を曲がれば間もなく到着。

こちらが「白鶴酒造」本社の正門。『白鶴酒造資料館』は右手にある瓦葺きの建物ですので、守衛さんに断りを入れてから入場しましょう。

建物の入口はこんな感じ。表札に「本店壱号蔵」と書かれている通り、もともと酒蔵だった建物を利用しています。真横で現代の酒づくりを行う工場とは、見た目のギャップもあっておもしろいです。

入口の右手には、注意書きとともにいろんな言語のパンフレットが用意されています。これだけ多くの国々から訪れる人がいるということですが、アジア圏の方は団体、欧米の方は個人での来館が多いようです。

館内に入るとすぐ左手に気合の入った展示が。ここでは酒づくりに必要な工程のひとつ「蒸米(むしまい)」の説明がされています。

蔵人のインパクトが大きいので、そっちに目が行きがちですが、映像を見て、パネルを読むと、かなりしっかり理解できます。

パネル横にあるQRコードを読み取ると、スマホの画面に展示内容の説明が表示されます。15か国語の中から選べますので、たいていの人は大丈夫かと。操作は非常に簡単で、もちろん日本語も入ってます。

ちなみにスペイン語を選ぶとこんな画面。写真の上のタイトルは「米と蒸米」という意味です。

酒づくりに欠かせない「米」についてもしっかり説明されています。ここでは「精米歩合」や品種についての展示がありました。

酒米といえば「山田錦」が有名ですが、白鶴酒造では自社で米の品種を開発していて、「白鶴錦」という酒米を使ったお酒もつくっています。

米づくりにも力を入れている証でしょうか、こちらの展示には本物の稲が使われています。ただ、それに気づいてくれる人があまりいない様子…。

ここまでこだわって作り込まれた展示はなかなか無いと思いますので、誰かと一緒に行くならトリビア的に語ってみてもいいかもしれません。

それにしても、蔵人の人形は近くで見てもめちゃくちゃリアルです。しかも、すべて違う顔。なんでも昔の従業員の人に似せて作られたそうで、1体200万円ぐらいするとかしないとか。こちらもトリビアネタになりそうですね。

 

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