『神戸ゆかりの美術館』で“まぼろし”展示を満喫。名前通り、そこは神戸にゆかりを感じる場所だった

『神戸ゆかりの美術館』は神戸で育まれた芸術文化を発信するために、平成19年にオープン。市役所や神戸市内の施設に飾られていた美術品、神戸にゆかりのある芸術家たちの絵画・彫刻作品を主に展示しています。

説明だけを聞くとお堅い感じもしそうですが、近年では人気アニメ「エヴァンゲリオン」などアニメーションの展示も行われているというので、どんな感じか見に行ってきました。


神戸市東灘区向洋町中2-9-1

今回の展示は、時代のトレンドが分かる公会堂の設計図

公共の交通機関を使って『神戸ゆかりの美術館』へ行く場合は、六甲ライナー「アイランドセンター駅」が便利。東出口からのルートは屋外に出ずに行けるので、雨の日や寒い日におすすめです。

床面のところどころにこんな表示があるので、まず迷うことはないと思います。

『神戸ゆかりの美術館』は『神戸ファッション美術館』、『ホテルプラザ神戸』などが入った複合施設『神戸ファッションプラザ』内にあります。

道なりに進むと3階のアトリウム・サン広場に出てくるので、階段で1階へ降りて入口へ向かいましょう。

 

 

入口すぐの受付でチケットを購入します。『神戸ゆかりの美術館』は六甲アイランド3美術館のひとつですが、それ以外の『神戸ファッション美術館』または『小磯記念美術館』に入館した人であれば、入館券の当日入場券(半券)を提示すると団体割引料金で入館できます。

入館料
大人200円、大学生100円、高校生以下は無料

特別展は別料金で内容によって金額が変わりますので、事前にHPなどでチェックしておいた方がよさそうです。

この日は『神戸ゆかりの美術館』初の建築関連の展示「大正・昭和神戸まぼろしの公会堂コンペ再現!」展が行われていて、大人は800円、大学生は400円でした。

今回の展示は、JR神戸駅北側の「大倉山」と呼ばれるエリアが舞台となっています。もともとは明治の実業家である大倉喜八郎の別荘地でしたが、その後、神戸市に寄贈。そこに公会堂を建設する計画があり、大正期(1922~1923)と昭和戦前期に設計競技(コンペ)が2回行われました。

しかし、大正期は関東大震災、昭和戦前期は戦局の推移や水害の影響でどちらも建てられずに終わり、まぼろしの公会堂と呼ばれてきたそうです。

そして、9年前に両方のコンペに参加した人々の描いた設計図が一部発見され、3年の年月をかけて初めて全貌を展示するに至りました。

こちらは大正期のコンペ出品作品。要求室として大集会室、公設食堂、広間兼休憩室、大食堂、レセプションホール、中食堂が掲げられています。今見てもかなり大規模ですね。

オリジナルが消失しているものについては、神戸市公会堂新築設計競技当選図案集を複写。今回の特別展示が計画から3年もかかった理由と苦労がうかがえます。

 

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