画像:兵庫県公式サイトより
兵庫県は、「安全・安心」「若者支援」など4つを主軸にした「2025年度予算案」を発表。総額「約4兆5000億円」となる予算案の概要が公開されていました。
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
防災・減災対策の強化などの「誰も取り残さない安全安心な兵庫」、若者の学びやすさや子育て支援などを盛り込んだ「若者が輝く兵庫」、スポーツ・芸術文化の振興などの「活力がわきあがる兵庫」の3つの柱と、それを支える「県政運営基盤の構築」を重きを置いて編成されています。
予算案は2月18日に始まる県議会に提案される予定です。
安全・安心に暮らせるよう、防災対策や医療体制など推進
大きく「防災・減災対策の強化」「地域の安全確保」「医療・介護体制の充実」「課題に寄り添う支援の充実」などに取り組みます。
震災30年の節目に、災害からの創造的復興をテーマとした「創造的復興サミット」を今年9月に開催予定。国内の被災地で防災・復興支援に取り組む高校生らによる活動報告などを行います。
画像:兵庫県公式サイトより
「能登半島地震」を踏まえた災害対応力強化として、防災・危機管理対策も総合的に推進。備蓄物資や災害対応マニュアルなどの見直しのほか、被災者向けには、被災した建築物の応急危険度判定ツールの導入や、避難所の生活環境改善も支援します。
医療・救急体制では、市町と連携して救急医療相談などを行う窓口「救急安心センター」を全県で展開予定。24時間365日対応するそうで、救急車を呼ぶか呼ばないかの緊急度判定や、医療機関の案内などを行う想定みたい。
今後想定される大規模地震や風水害に備えて、地震・津波対策や総合的な治水対策、産地の防災・土砂災害対策にも力を入れます。
地域の安全確保では、多種多様に進化する「犯罪」に対応。詐欺被害防止に向けた普及啓発として、疑似体験する体験型講習会などを実施する予定です。
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
課題を抱える子どもや若者が安心して暮らせる環境づくりにも注力。学校内では「不登校児童生徒支援員」を拡充して、中学校では各校に1人、小学校では市町ごとに2校に1人ほどを置くそうです。
小中学時代に大学生と自然体験などを通じた交流を行い、進路選択の視野を広げたり、中高生対象に先輩大学生と大学生活について語り合う機会を設けて、進路選択を考える機会をつくったりして、大学進学への支援もするのだとか。
「県立大」無償化は対象を2年生以上に、2026年度には全学年で実施
主に「若者が学びやすい環境づくり」や「子どもを産み育てやすい環境づくり」などに取り組むみたい。
大学生などのインターンシップや県内就職の促進といった、働きやすさにも注力します。
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
高校では学費の負担に不安なく、希望する教育を受けられる支援を実施。県独自の授業料軽減を拡充し、奨学金返済支援も継続します。
2024年度から段階的に実施している「兵庫県立大学」の授業料等無償化では、主な対象者を「4年生以上」から「2年生以上」に拡大。1年生を含めた全学年の完全無償化は「2026年度」での実現を目指すそうです。
「不妊治療」施策では医療費助成を隣接府県まで拡大
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
妊娠・出産支援では、安心して不妊治療や産後ケアなどを受けられる体制を整備します。
不妊治療の経済的負担の軽減では、これまでは原則県内受診が対象でしたが、助成対象となる医療機関を隣接府県まで拡大。
ほかにも、不妊治療と仕事との両立に向けて、企業向けフォーラムや当事者団体と連携した企業相談体制の構築などにも取り組むみたい。
子どもや子育て世帯を社会全体で支えるため、子どもの「学びの場」や「遊びの場」も拡充。
公民連携で「自習室」を設置するほか、県立都市公園に複合遊具なども整備。遊具回りには、子どもを見守る親たちが利用できるよう日よけやベンチも整備します。
スポーツ・芸術文化を盛り上げる施策やスタートアップ支援で産業も強化
今年4月から始まる「大阪・関西万博」での兵庫県の魅力発信のほか、スタートアップ支援などで産業競争力も強化。
有機農業の担い手育成や野生鳥獣被害対策の強化、空き家・古民家の活用促進など、自然と共生する社会づくりなどに取り組むそうです。
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
万博会場に設ける「兵庫県ゾーン」の展示では、アトラクション型の映像空間で兵庫県の魅力を発信します。
関連して兵庫県立美術館でも参加型の展示体験を行う予定で、子どもたちから募った絵画作品をデジタルアート化したり、フィールドパビリオンの取り組みの体験展示などを行ったりするそうです。
万博会場外でも各種イベントを企画。兵庫五国の県産品マルシェなどの「ひょうご楽市楽座」のほか、「空飛ぶクルマ」のでもフライトイベントも実施予定で、技術者との座談会やフライト見学、記念撮影などができるそうです。
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
スポーツ・芸術文化の振興に向けて新たな取り組みも。官民連携で地域活性化につなげる「HYOGOスポーツコミッション(仮)」設立を目指すみたい。
2025年はまず関係団体や有識者などからヒアリングし、組織体制や活動方針を検討。2026年に設立予定です。
芸術文化の振興では、「芸術文化センター」の開館20周年を記念した公演を実施予定。7月には、県内の美術館・博物館などの無料開放や無料イベントを行う「ひょうごプレミアム芸術デー」も行われます。
スタートアップ支援では、ビジネスプランの実証支援や起業・研究開発等の経費支援などを計画。
ものづくり領域の参入障壁となっている「試作品開発」までを一貫支援するなど、社会課題解決に貢献するスタートアップを育てる仕組みづくりに取り組むみたい。
新庁舎整備と本庁舎再編では、基本構想・基本計画の策定進める
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
2025年も引き続き、新庁舎の整備と本庁舎の再編などに取り組みます。新庁舎整備にかかる基本構想・基本計画の策定を進めるほか、3号館など既存庁舎の改修工事などで予算を計上しています。
今年1月ごろから3号館の修繕工事がスタートしていて、工事期間は「2025年12月下旬」までと大掛かりな工事になるようです。
画像:兵庫県「令和7年度当初予算(案)」資料より
2025年度の予算案は総額で「4兆5,150億円」。一般会計は2兆3,582億円で、前年度比で192億円の増加です。
歳入では県税収入が「9,982億円」と、4年連続で過去最高を更新したのだとか。
歳出では、新型コロナウイルス感染症対策で中小企業に貸し付けた資金の償還が進み、行政経費は前年度比で797億円減少する見通しだそうです。
齋藤知事は「将来に向けた投資で一番大きい『教育』は大事なポイント。少子化の時代だからこそ、よりよい可能性を広げていくためにもしっかり取り組んでいきたい」と考えているんだそう。予算案の詳しい内容は兵庫県公式サイトで公開されているので、より深く知りたい人はぜひチェックしてみてください。
◆関連リンク
・令和7年度当初予算の概要 – 兵庫県
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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